平成25年に厚生労働省が実施した賃金構造基本統計調査では、青森県の保育士の平均年収は279.9万円となっています。これは全国ランキングで37位という結果で、保育士の全国平均年収310万円に比べても30万円近く低い平均です。更に近隣で308.8万円の岩手県や298.3万円の秋田県と比較して見ても、青森県の方が低くなっています。
ところが青森県内で職種別に比較して見ると、全職種の平均年収に対して保育士年収は79.6％という高水準となり、ここでは全国平均の66％を上回っています。保育士の全国的な平均年収からすると低いですが、青森県内で働くなら他の職種よりも働く環境が良いと言えそうです。
厚生労働省による平成25年度の職業安定業務統計では、青森県における保育士の求人倍率は1.15倍となっています。1倍を超えていることからは、求人量に対して保育士が不足していることが判りますが、同じ東北でも岩手県が1.16倍、宮城県が1.48倍、秋田県が1.08倍とどの県においても保育士が不足しています。
特に青森県では子ども家庭福祉の問題から就学前児童の多くが民間保育所や民間幼稚園に通っており、保育士の処遇改善が課題となっています。青森県保育連合会では、保育士不足解消のために働きやすい環境づくりを目指しています。

青森県で勤務している保育士は4,680人と言われています。これは岩手県3,379人、秋田県3,006人といった他の東北6県と比較しても、最も多い人数となっています。
そして勤務体系でその内訳を見てみると、常勤保育士が4,124人、非常勤保育士が556人と常勤保育士の割合が圧倒的に多くなっています。更に公営施設と私営施設で勤務人数を比較をしてみると、公営施設勤務が360人、私営施設勤務が4,320人となり、公営施設より私営施設で勤務している人の方が圧倒的に多いという青森県内の保育園事情が見えてきます。青森県内には認可保育園が約470ヶ所あります。中には待機児童がいる地域もあることから、保育所認可について改善をしながら、県内に保育所設置がしやすくなるための試みがなされています。
また、小規模保育や事業内保育といった取り組みも新たに行われ、保育の量や種類を拡大という目標に向けて活動を広げ、認定子ども園制度の見直しもされています。
青森県では就学前の児童のほとんどが、保育サービスを利用しています。利用者の様々なニーズに応えられるような取り組みを行いながら、保育士の需要も増えてく可能性があります。利用者にとっても保育士にとっても、様々な形態を選んでいける地域となっていくでしょう。