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テストもクラスもチャイムもない!?新しい教育の形「サドベリースクール」とは?

サドベリー教育
自由な時間を大切にし、学習意欲を自分自身から引き出すサドベリー教育。日本に浸透してきたこの教育法ですが実際にはどのような点が魅力なのでしょうか。

「保育ぷらす+」では、モンテッソーリ教育やヨコミネ式教育法など、様々な教育法をこれまでにご紹介してきましたが、「サドベリー教育」という言葉を聞いたことがありますか?アメリカのボストンで1968年に創設された『サドベリー・バレー・スクール』が始まりで、まだ日本ではあまり知られていないのですが、「子供たちにのびのびと自分の好きなことを追及させて学習意欲を高めさせる、型にはまらない21世紀の新しい教育法」なのですが、驚くべきことに卒業生は教育関連やマネジメント職などからアートなどの想像性の高い職業まで様々。あまり日本ではなじみのない教育法ですが世界で徐々に広がっているとても興味深い教育法なんです。

[参考記事]

AmazonやFacebookを生み出したモンテッソーリ教育とは

ヨコミネ式教育法は子どもを「天才」にするのか

サドベリースクールとは?

サドベリースクールは世界で約40校、日本では約8校と世界で徐々に広がっています。日本のこれまでの学校の概念を180度覆すシステムです。まったくゼロベースの中から、自分の好奇心を追及しつくして、子供たちが自分たちに必要なシステムを、自分たちで作り上げます。つまり子供たちは、自分でやりたいことや必要なことを見つけ出し、それを好きなペース、好きな方法、好きな人たちと共に活動しているのです。

≪サドベリースクールの基本的な5つの特徴≫

  • 自分の好きなことを学ぶ

何して遊ぶか、どれぐらいの時間、何を学ぶか、全て自分で決める自由があります。

  • カリキュラム・テストなし

強制や評価されることなく、自分のペースで学んでいきます。時間割も授業もないの

でチャイムも休み時間もありません。国語や算数などの勉強はしたい子はしますが、

ほとんどの子はサドベリースクールでは取り組んでいません。

  • 子どもの意思を尊重する

子供たちは、大人から尊重され信頼されている環境で育っています。

  • ミーティングで話し合って決める

学校の運営はみんなの同意のもとで決めていきます。

  • 年齢ミックス

年上の子と年下の子の間で学び合いが深まります。

サドベリースクールで身につくことは?

時間割も授業もテストもないサドベリースクールでは、「これじゃ結局何を学ぶの?何が身につくの?」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、「人は学びたいと感じれば、学ぶ」という考えに基づき、子供たちの意思を尊重して自由に学ぶ教育方針がベースにあります。

時間割や授業で決められたものを学ぶのではなく、自分が興味を持ったものを自分のペースで学ぶため、料理、マジック、ピアノなど、生徒が学びたいものであればじっくりと学ぶことができます。「自分から動かなければ始まらない」という環境の中で自分が学びたいことを学びたいだけ学べるため自主性や学習意欲が高まる環境なのです。また、友達を巻き込んで何かを行う場合はプロジェクトをどのように進めていくか、友達を巻き込む方法や、話し合いや喧嘩もしながら協調性も身につけていくことができます。

世界のサドベリースクールの卒業生はどうなっている?

世界中にあるサドベリースクールのモデルであるアメリカの「サドベリー・バレー・スクール」は過去40年の間で、卒業生に関する調査書を二回発行しています。その報告の中で特筆すべきことは、卒業生の約8割は大学を卒業しており、また人生の様々な領域で成功しているということです。そして、人生に対する満足度も比較的高いという結果が出ているため、自分の好きなことを子供のころに追求することは実は非常に大切なことだ問うことが判明しています。

日本にもある!東京サドベリースクールとは?

 

サドベリー教育

 

≪基本情報≫

東京サドベリースクールは、2009年4月に創立しました。開校時間は10時から16時までで、月曜日から金曜日まで週5日間通うことができます。在籍対象年齢は5歳~18歳までなので、幼稚園の年長さんから高校3年生までが対象になります。基本的にサドベリースクールは自然が豊かな地域に多いのですが、東京の場合は都市型のため、自然は少なめです。その代わりに都会という状況を活かして、子供たちが望めば、小説家や料理人、アーティストの方など、様々な人との交流ができるようにしているそうです。

≪東京サドベリースクールでの子供たちの生活≫

カリキュラムがないので、それぞれが自分の好きなことをしています。誰かとおしゃべりをしたり、ゲームをしたり、料理をしたり、絵を描いたり、読書をしたり、考え事をしたり。チャイムがないので1つのことに集中しやすいのが大きな特徴です。一日中、公園でダンゴムシを観察する子もいます。昼食はそれぞれがお弁当を持ってくるかキッチンで作る等して、好きな時間に食べてます。出前を取ったり外出して食べたりすることもあります。本当にその子次第なのです。

≪子供たちが学校の運営に参加する≫

学校運営の方針を決めるスクールミーティグにおいて、子供たちは大人と平等に1票の権利を持っています。基本的には多数決よりも話し合いを優先し、話し尽くすまで多数決はとらないというルールがあります。このルールも子供たちと話し合って決まったそうです。保護者もスクール運営上の重要なことを決めるミーティングに参加して、運営団体の役員になることもあります。

≪学費も子供たちと話し合って決める≫

なんでも話し合って決めるスタイルのため、サドベリースクールでは学費の決定まで子供や保護者に委ねます。ビジネスとして成立しにくい可能性は高まりますが、「教育の場」ということを重視し、経営の効率だけを求めていません。また、子供や保護者が決定権を持つことが学費を下げる方向に働くかというと、実際には自分たちが運営に関わることで、利益が出ないと回らないということも理解するため、学費がとても低くなることはないのです。

子供たちが幼いうちから経営を意識して大人と話し合いをするというのは、非常に貴重な機会ですよね。そのため、ミーティングでは子供たちから「しっかり利益を上げていきたい」という声が上がることもあるようです。

周囲の大人は子供たちをゆったりと見守ることが大切

子供たちと先生や保護者の立場は対等であることがサドベリースクールでは基本として考えられています。そのため、保護者を含めたスタッフたちは子供たちのやることに口出しすることなく、子供たちの世界を大切にしておおらかに見守る姿勢で通わせていることで自由に学べる環境が生まれています。そうすることで、子供たちが自分たちが周囲の大人から信頼されていることを感じ、自分で好きなことを好きなだけ学ぶことで満足感や達成感を得られます。

まとめ

ここまでサドベリースクールについてお話してきましたが、いかがでしたか?こんなにも自由な学校が世の中に存在することは本当に驚きですよね!日本は教育後進国として世界に後れを取っているので、今後はサドベリースクールが増えていくかもしれません。保育士として働く人も、子供を持つ保護者の方も、もし変わった子がいた場合やわが子が他の事違った感性を持っていると感じた場合、その子を「変わっている」と考えるのではなく、ひとつの「個性」として捉えると良いかもしれません。海外の教育法などが広がり、たくさんの選択肢が増えている中で、その子に合っている学校や教育法を選んでその子がいきいきと個性を発揮できる環境を選んでいくことが重要になっていくでしょう。

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