厚生労働省が実施した平成25年の賃金構造基本統計調査によると、新潟県における保育士の平均年収は314.4万円でした。これは全国的にも22位という結果であり、近隣にある長野県の317.7万円や山梨県の313.6万円との大差は無く、平均的な待遇であると言えるでしょう。
また、新潟県内の平均年収は397万円となっていて、相対水準は79.1％と全国的に見ても良い結果が出ています。保育士の待遇に関しては、待機児童が多い地域や保育士が不足している地域などで待遇格差が問題視されています。そういった中においても、新潟県は比較的良好な待遇状態のようです。
新潟県での保育士求人倍率は1.70倍です。求職者1人に対して2件に近い数の求人がある状態ですので、数字的には求めれば就職がある状況であるということになり、就職に恵まれた環境であると言えるでしょう。
更に同じ甲信越地域の中で比較して見ると、新潟県は他県よりも求人倍率が高くなっています。
こうして見ると新潟県で保育士を目指す人は、甲信越地域内では高い求人倍率と、全国的にも平均的な給与待遇という好環境が得られるということになります。こういった現状から甲信越地域で保育士を目指す人にとって、新潟県は人気の高い就職候補地の一つになっています。

新潟県で保育士として活躍している人は常勤保育士が5,166人非常勤保育士が865人で、合計6,082人です。常勤保育士が全体の約85％であり、圧倒的に多くなっています。また常勤保育士の割合を近隣県と比較して見ると、長野県が約75％、山梨県が約84％となっており、甲信越地域の中でも新潟県が最も高い割合となっています。
更に公営施設と私営施設で就業人数を分けた場合、公営施設勤務が3,833人私営施設勤務が2,249人となっており、過半数が公営施設で勤務しています。公営施設では私営施設よりも閉園時間が一般的に早いという全国保育協議会の調査があり、公営施設勤務の人気がより高い原因の一つとなっているのかもしれません。
新潟県内における保育所の数は公営が326施設、私営が142施設の合計468施設あります。更に厚生労働省の調査では新潟県では待機児童は0人となっています。数字だけを見ると良い状況に見えますが、全国的に抱えている問題の一つである少子化が如実に感じられる現象であるということでもあります。
こうした現状を受けて新潟県では少子化問題に特に力を入れ、保育所数の増加などの保育環境の全体的な見直しも行われています。今後保育所数が増加すればそれに伴って保育士の拡充も必要になりますので、求人倍率の向上による待遇面の改善も期待できる地域であると言えるでしょう。