厚生労働省発表の賃金構造基本統計調査によると、和歌山県の保育士の平均年収は、平成25年調査では、301万4千円、平成26年調査では、381万6千円となっています。（平均月収が24万8千円。平均賞与が83万6千円。）平成25年調査では全職種平均との比較割合が70.1％で、全国31位という成績でしたが、平成26年調査では、全職種平均との比較割合は91.3％までに上昇しています。
また、平成26年調査における保育士の全国平均年収は316万7千円なので、和歌山県の保育士給与は他県と比べて、非常に高いと言えます。
和歌山県の保育士の有効求人倍率は、厚生労働省発表の職業安定業務統計によると、平成25年12月時点では、1.38倍、平成26年12月時点では、1.84倍になっています。近畿圏では、滋賀県が4.58倍と際立って高いですが、大阪の2.40倍に次ぐ高さとなり、保育士のニーズが高い地域となっています。
これを踏まえて、平成27年6月、和歌山県が発表した「和歌山県まち･ひと･しごと創生総合戦略」でも、「安心して子どもを育てられる環境の整備」の「行動指針」で「認定こども園等子育て関係施設の整備を支援」「多様な保育事業を実施する市町村への財政支援」「潜在保育士の就職を支援」「保育従事者等の質の向上に向けた各種研修の実施」を挙げています。

和歌山県の保育士の就業人数は、厚生労働省の「平成25年社会福祉施設等調査」によると2.210人。内訳は、常勤は1926人（専従1,816人、兼務110人）非常勤は284人となっています。
ちなみに平成25年4月時点の「厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課調べ」による勤務保育士数は9826人。平成25年「社会福祉施設等調査（平成25年10月時点）」による勤務保育士数は、3239人で、社会福祉施設等に勤務していない保育士の割合が67.0％となっており、和歌山県でも、依然潜在保育士が多数いることがわかっています。
和歌山県の保育所総数は、厚生労働省によると、平成27年4月1日現在で、144か所。設置主体別に見てみると、公立が102か所、社会福祉法人が39か所、宗教法人が1か所、個人が2か所となっており、公立の保育所の割合が多いということが分かります。
一方、認定こども園の設置も進んでおり、幼保連携型認定こども園は3か所、保育所型認定こども園は、4か所となっています。また、保育所の利用者が増加した地域があり、和歌山県全体では、保育所定員が利用者数を上回っているのに、待機児童が7人いるという現状があり、更なる施設の拡大が急務となっています。