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子どもたちの成長と自立に寄り添う「施設保育士」ってどんな仕事?

施設保育士
保育園で働く以外に、子ども達を預かり生活する場所となる施設で働く保育士もいます。

保育士が活躍するフィールドは、保育園・保育所だけではありません。乳児院や児童養護施設といった、保育所以外の児童福祉施設で働く専門職「施設保育士」についてご紹介します。

施設保育士って?

施設保育士とは、児童福祉法第39条で定められた保育所以外の児童福祉施設で働く保育士のことを指す言葉。子どもたちの保育を担うという点では、保育所などの一般的な保育施設で働く保育士と変わりがないように思えるかもしれませんが、その役割や実務内容、勤務体系は、通常の保育士とは大きく異なります。いったいどんな職業なのでしょうか。

施設保育士の特徴

一般的な保育施設と、施設保育士が働く保育所以外の児童福祉施設の大きな違い、それは、入所施設であるかどうかという点。一般的な保育施設では、子どもたちの生活の拠点はあくまでもそれぞれの家庭であり、保育施設は一時的な預かり場所にすぎません。ですが乳児院や児童養護施設といった保育所以外の児童福祉施設は、家庭にかわって子どもたちの養育を行う入所施設です。子どもたちは施設のなかで生活を送り、成長していくことになりますから、施設保育士たちは家庭に代わって24時間365日子どもたちに携わり、寄り添っていく必要があります。
また、業務についても保育業務のほか、施設の種類に応じた役割が求められます。たとえば、乳児院では、保育だけではなく、乳児の養育すべてに携わることになります。児童養護施設では、子どもたちが自立していけるよう保護者としてサポートを行い、生活習慣や社会生活のルールなどを教えていく必要があります。

児童福祉施設って?

児童福祉施設とは、国もしくは都道府県が設置する、0~18歳までの子どもたちおよび妊産婦の福祉を図るための施設のこと。保育所や地域家庭子育て支援センターのほか、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、児童厚生施設、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設があります。
施設には、保育所のように通う「通所」タイプと、地域家庭子育て支援センターのように「利用」するタイプ、乳児院や児童養護施設のように施設で暮らす「入所」タイプがあります。

施設保育士が活躍する保育所以外の施設のうち、入所する施設の例をピックアップして紹介します。

乳児院

乳児院は、保護者の病気や離婚・死別など、何らかの事情があって保護者のもとで暮らしていくことができなくなってしまった乳幼児を、保護者にかわって養育するための施設です。1歳未満の赤ちゃんのことを指す「乳児」という名前がついているものの、乳児院では小学校に入学するまでのあいだの子どもたちを養育することができます。ただし、満1歳以降は後述する児童養護施設へ入所することができますので、入所定員数の上限に達している場合など、状況によっては、満1歳に達している子は児童養護施設への入所となることもあります。
家庭にいられない何かしらの事情を抱えた、乳児院の子どもたち。乳児院ではたらく施設保育士には、子どもたちの心に寄り添い、健やかな心を育てる責任が求められるといっても過言ではありません。
乳児院に入院した子どもたちは、小学校に入学する前に、両親や親族のもとへ引き取られる、養子縁組などを行い里親のもとへ引き取られる、児童養護施設へ入所するのいずれかの手段で、乳児院を巣立っていきます。

児童養護施設

児童養護施設とは、虐待を受けていて保護者と生活を送るのが難しい児童や、保護者がいない児童など、何らかの事情があって家庭で暮らしていくことが難しくなってしまった児童が入所する施設です。

原則として満1歳から小学校に入学するまでの幼児と、小学校就学から満18歳に達するまでの少年が入所の対象となりますが、場合によっては20歳まで延長することが可能です。
近年では、ひとり親世帯の保護者が病気や負傷をしたケースなど、やむを得ない理由で一時的に児童を預かる「ショートステイ」や、ひとり親世帯の保護者が残業などで帰宅できないケースなどで、児童を通所させ、夕食の提供などを行う「トワイライトケア」を行っている施設も増えています。

とはいえ、児童養護施設に集まるのは、何らかの事情があって親元を離れて暮らす子どもたちです。施設保育士は、本来の保護者にかわって、いずれ自立をして生活を送らなければならない子どもたちに教えていかなければならないことがたくさんあります。子どもたちがひとり立ちして生きていくには、どんなサポートが必要か考え、寄り添っていく。保育の枠を超えた役割が求められるのが、児童養護施設の施設保育士です。
乳児院も、児童養護施設も、かつては孤児院と呼ばれていた施設。ですが近年では、身寄りのない「孤児」は少なく、虐待が原因で両親のもとを離れて生活をせざるを得なくなった子どもたちがおよそ6割を占めているという、痛ましい現実があります。

施設保育士の仕事内容は?

一般的な保育士の役割とは異なる施設保育士の役割。たとえば、乳児院での保育士の場合、通常の保育に加え、予防接種に連れていったり、洋服を選んで購入したり…と、保護者が行う子育てのすべての担わなくてはなりません。もちろん、対応は日中だけではなく、夜勤での夜泣き対応や、衣類の洗濯、買い物…といった身の回りの世話のすべてを行っていく必要があります。
拘束時間などは施設によって異なりますが、夜勤も多く、週に数泊の寝泊りが必須…という施設も。現職の施設保育士のなかには「子どもたちと過ごす時間が長いのでやりがいを感じる」という声も多い反面、「拘束時間が長くて、プライベートを充実できない」という声も多く見受けられます。

入所タイプの児童福祉施設は、子どもたちにとって家庭そのもの。子どもたちの人格形成にとても重大な時期にかかわっていく存在だからこそ、施設保育士の責任はとても重く、役割を投げ出さず、まっとうしていく根気強さが求められます。

施設保育士になるには?

施設保育士を目指すのであれば、まず保育士資格の取得が必須になります。保育士資格の取得には、保育士を養成している大学・短期大学・専門学校を卒業するか、国家試験に合格し、保育士資格を取得する必要があります。
施設の種類によっても異なりますが、チャイルドカウンセラーなどの心理面をサポートする資格や、介護・福祉の資格、医療の資格を取得していると現場で活躍できる幅が広がるかもしれません。

児童福祉施設は保育施設よりもずっと施設数が少ないため、求人数も少なく、施設保育士を目指す人にとっては狭き門といったように感じるかもしれません。求人の出し方は施設によって異なりますから、お住まいの地域の児童福祉施設を探し、ホームページをチェックしたり、直接問い合わせたりして、定期的に情報収集を行いましょう。

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