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自由保育とは「ほったらかし」ではない、自主性を伸ばす手法

保育士 自由保育
保育園で最近、自由保育を行っているところが増えています。でも、本当に自由にさせて良いのと?思っている人が多いのではないでしょうか。そこで今回は、自由保育がどういうものか具体的に解説していきます。

■「自由保育」と聞いてイメージするのは「放任」?

保育園や幼稚園の方針として「自由保育」を挙げているところがありますよね。自由保育とは、子ども達がそれぞれに自分のやりたいことをやりたいようにする、という時間が中心となっている保育の形です。それと対になるように、保育者、つまり園児たちにとっての「先生」が「今からみんなでお絵かきをしましょう」「みんなにこのお話をしますよ」と指導するやり方は「一斉保育」と呼ばれます。ほかに、施設によって考え方や定義は異なりますが「設定保育」や「計画保育」という呼び方もあります。

多くの人がイメージする幼稚園や保育園の活動は一斉保育のタイプのほうが一般的ではないでしょうか。自由保育は子どもがバラバラに勝手気ままに遊んでいるイメージを持たれることも多く、まるで「ほったらかし」「放任」なのでは? と思う人もいるようです。また、自分で考えてやりたいことを選ぶ良さをぜひ子どもに体験させたいと思う保護者もいます。そんな自由保育のことを解説していきます。

■自由保育に興味があって施設を選ぶ際のポイント

自由保育の方針をとっている園といっても、その取り入れ方はさまざまです。1日中、子ども達が「自由遊び」の活動をするのがメインという園もあれば、自由に遊ぶことと、いわゆる一斉保育タイプの活動を混合で行う園もあります。自由保育の取り入れ方や実践は、園や施設によって運営側の考え方が色濃く反映されることが多いのではないかと思います。

自由遊びが中心、という園で見学や体験に行って「驚いた」という保護者の声もあります。園によっては「泥んこ遊び」や「駆け回って遊ぶこと」を重視していたり、ケンカや怪我も「自由な行動」の結果の「学び」とする考え方だったり、ということもあります。考え方、理念に同意し、子どもを託したいと思ったら選ぶ、そして「合わないかな」と思ったら選ばない、というシンプルな選択でいいと思います。

 ■自由保育の「自由」を支える力

 

保育士 自由保育

 

自由保育の園では、子どもに好きなことややりたいことをさせ、保育者が「みんな」に対して指示をしないからといって「ほったらかし」にしているわけではありません。子ども達は「やりたいことをやる」ために、自分で自分の意志と行動を確認して選ばなくてはなりませんから、ただ何も考えずに遊んでいるのとは違います。

保育者は、その確認や選択を促すために子ども達を見守り、リードしています。自由をサポートするためには、保育者の観察力や指導力も必要なのです。その支えがあるからこそ、子ども達は考える力、自発的に行動する力、そして子ども同士でコミュニケーションをしたりトラブルがあったら解決したりする力を付けていきます。自由とは勝手気ままではなく自分自身で行動することです。こうした自由な行動によって、子ども達の自主性、生きる力を伸ばしていきます。

■自由保育で保護者が心配することとは

自由保育においては保育者が子どもの行動を見守り促していると述べたのですが、実は園の方針がぶれていたり保育者の力量が不足していたりして、本来の「自由」の方向がずれてしまう、ということも起こり得るのです。保護者が「放任になってしまうのでは」と心配するのは、そのような場合ですね。自然の中で遊ぶのが大事、としていても、きちんとした見守りがなされていないために大きな怪我につながる、といったケースがあります。

また、自由保育の中で自由な行動だけがあって自主性を伸ばす支えがなかったら、子どもはなんでも「勝手」にやっていいと勘違いしてしまいます。小学校に上がっても団体行動ができなかったり静かに話を聞けなかったりして「学級崩壊」の原因となってしまうような子どもになってしまうのでは、という懸念も保護者の間にはあります。このような問題は不十分な自由保育だけが原因ではなくさまざまな背景があるものなのですが、どちらにしても心配な園や施設を選んでしまわないよう、事前に情報を集めておくことが必要となります。

■自由保育と一斉保育タイプとの比較

保護者が自由保育という手法に魅力を感じるのは、多くの場合、一斉保育タイプの手法と比較したときではないでしょうか。一斉保育でみんなが指示にしたがって同じことをする、といった見方においては「何も考えずに行動する」ようにも思えます。子どもが「自分で考えなくてもいい」「言われた通りのことだけすればいい」と指示待ちの人間になってしまいそう、と思うと、自由保育のような自発的な行動を促す保育が素晴らしく感じられます。

実際には一斉保育でも個々の発達や得意・児得意に合わせた指示や指導は行われますし、みんなと一緒でも個人の興味・関心は磨かれ成長を促すことはできます。それぞれの長所や短所はありますが、極端に比較してしまうと考えが偏り、落ち着いて判断できません。大事なのは子どもにとってどちらがいいのか、です。極端な考え方に陥らず、比較するなら冷静な観察や、それぞれの園や施設の特徴の分析が必要となってきます。

 ■行事などへの考え方が独特の場合も

保育園や幼稚園に子どもを通わせる保護者は、いわゆる「行事」や「発表」などに参加することも多いものです。保育者の側でもさまざまな工夫や準備のうえで子どもの「晴れ姿」や「園での活動」を保護者に魅せることができる機会となります。そんな機会ですが、自由保育を実践している園では、考え方として「行事を開催しない」とか「保護者参加型の行事はない」といったところもあります。

理由としては、普段の子ども達の活動において自由遊びなどが中心なので、みんなで準備したり制作や練習をしたりしないから、などがあります。また、芋ほりをはじめとした農作業への従事や山登りといった行事は開催するけれども「見せる」ものではないから保護者の参加はなし、といったケースもあります。自由保育と「自然」「質実剛健さ」といった方針には親和性が高いのではないかな、と思います。そういった特徴なども、自由保育の園に子どもを入れるかどうか決める要素となります。子どもにどのように育ってほしいのか、という思いが決め手になると思います。

■主役は子ども、の思い

自由保育を取り入れている保育園や幼稚園でも、みんなで一緒に何かに取り組むことはあります。方針によって異なりますが、多くの場合、その際にも子どもが自発的に行動できるように、ということが基本にありますから、保育者は「こうしなさい」といった指示はしません。先生が「しなさい」といったら、それは子どもにとって「やらされる」ことであり「やらないといけない」ことになります。

そうではなく、何らかの仕掛け、例えば普段はその場所にない、特別なものを用意しておいて興味を持たせるなどして、子どもが主体的にその「特別」に対応できるようにします。主役は子どもなのです。その思いを子どもへの働きかけと見守りで実行しているのが自由保育です。

■自由保育に頼り過ぎず、保護者と保育者で協力し合う

自由保育で最重要視されるのは自主性です。だから、保育者から子どもに、細かい指示や指導はないかもしれません。その部分を期待すると、保護者としては疑問や不満も出てきますから、最初から割り切ることです。自由保育に賛同して、子どもを託すと決めたのであれば、保育園や幼稚園で行われていない部分を保護者が家庭でカバーするということも必要です。

自由保育ということに頼りすぎない。保護者の姿勢として大事なことであり、保護者と保育者の協力のために忘れてはいけないことです。これは自由保育に限ったことではありません。子どものために、と思うのなら、まわりの大人が常に責任を持っていることが大事ですね。

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