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障害児保育の現実と課題 ~子ども・保護者が十分な保育サービスを受けるために~

障害児保育
保育士だけではなく、多くの人が周りに対しても気をつけなければいけないことだと思います。しっかりと確認してきましょう。

「障害児保育」はとても広い意味を持つ言葉

障害児保育といわれて、保育士をはじめとした保育者の方や、子どもを持つ保護者の方はどのようなことを思い浮かべるでしょうか。保育園や専門の施設などで障害を持つ子ども達と接していたり、自分自身や身近に障害を持つ子どもがいたりする場合には、具体的な保育、例えば子どもへの接し方や気を付けなければいけないことなどがわかると思います。

しかし、身近に障害児保育の例を見ていないと、何が行われているのかイメージしにくいのではないでしょうか。障害を持つ子ども、といっても、その内容や表れ方は、実にさまざまです。肢体不自由の障害がある場合だけを例にとっても、運動の程度や医療的介護の必要性の高さなどもそれぞれ異なります。知的障害や視覚障害、聴覚障害なども例にすれば、障害を持つ子どもにとって何が必要なのか全く異なってくることがわかると思います。さらに発達障害なども考えると、その対応には一つの正解などないことを実感できます。

障害を持っているということは、その子どもが生活するうえで何らかの困難をともなう場合があるということです。保育の際に、その困難をカバーする必要性があるのが障害児保育です。その課題などについてお伝えします。

障害を持つ子どもが利用する施設について

保育施設は、保護者に代わって子どもを守り、育てるところです。保護者に理由があり子どもの保育ができない間、その役目を代わり、サポートします。保護者が仕事や病気などの理由で、障害を持つ子どもを預ける際には、子どもの障害の状況などによって施設を決めます。障害児専門の「障害児通所支援」サービスを行う施設もしくは、保育施設の中で障害のある子どもへの対応をしているところ、いずれかの選択になります。障害児通所支援サービスの施設で、6歳以下の子どもが利用するものには主に「福祉型児童発達支援センター」と「医療型児童発達支援センター」があります。

福祉型は「日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練」などを行い、医療型は「上肢、下肢または体幹の機能の障害のある」子どもが利用する、という種別になっています。これらの施設は、2012年の児童福祉法改正にともなって、以前は「障害の種別」によって分かれていたのを、住んでいる地域での利用がしやすくなるように利用する子どもの年齢(未就学児か就学児か)で分けるようになりました。

保育施設に障害のある子どもが通う場合

 

障害児保育

 

保育園などに障害を持っている子どもが通う場合もあります。保育施設には複数の子どもがいて、集団の中で遊びや学びの生活を送っています。その同じ「場」で生活に何らかの困難をともなう障害を持った子も一緒に保育を行う場合「統合保育」とい呼びます。施設によって、統合保育における子どもの受け入れに、障害の程度が定められている場合があります。

集団での保育が困難な場合や医療的介護の必要性によっては保育施設での受け入れができないというケースも存在します。また、保育者の対応という側面から、受け入れる人数が決まっている場合もあります。統合保育においては、障害のある子もない子もかかわり合うことによって存在を認め合い理解を深め、お互いに「成長し合う」ことが期待されます。社会には障害のある人もない人もいるのが当たり前であり、子どものときからお互いにその認識を持ち、助け合う気持ちを育むことは重要です。

保育施設での障害児保育の問題とは

統合保育を実施する保育園など、障害のある子もない子も通う施設では問題もあります。まずは、すでに述べてきたことと重なる部分がありますが「条件」の面で保護者にとって厳しい場合があるということです。施設の受け入れ態勢に子どもの障害の状況や保護者の状況が合致しないということで「保育所に入れたくても入れない」状態になることがあります。施設側や保育者側の事情もあり、簡単に解決できるものではありませんが、このハードルが下がることによって障害を持つ子どもの保護者が「救われる」のではないでしょうか。障害を持つ子どもの保護者が働くこと、働き続けることには、子どもへのサポートのために、困難がともないます。それが経済面をはじめ、さまざまな不安にもつながっています。十分な保育サービスを受けたい、というのは障害を持った子ども、持っていない子ども、どちらの保護者でも同じなのです。保護者の不安や困ったことを解消する保育サービスとして、障害児保育の充実が望まれています。

障害児保育を実施する保育者側の問題や思い

障害を持った子どもには、生活上で大なり小なり困難な部分がありますので、配慮が必要です。統合保育を行っている保育園などにおいても、保育者に知識や経験が不足していて、十分なサポートができない場合もあり、それが問題となります。施設に受け入れるシステムがあっても保育者側の準備が不十分という状態は、不安のもとです。保護者とのきめ細かい情報交換や、医療機関などの関係機関との連携も必要です。保育者の心構えとして必要なことは、障害を持つ子に対しても、ほかの子と同じように「一人一人、個性や特性、気を付けることはそれぞれにある」ということを忘れず、配慮しなければならないことに対してはしっかりと行っていくことではないかと思います。障害の度合いや状況が一人一人、違うというのは、すでに述べました。そして、障害のある子もない子も、個性や注意するべき点があるということにおいては同様であり、それも一人一人、違います。成長していく「人」としての、子どもの持っている良さを伸ばすために配慮することにおいては、どの子に対しても同じ姿勢が必要なのではないかと思います。そして、そのうえで必要となる知識や経験は、とても貴重なものであり、得ることで保育者の大きな成長や自信にもつながっていくでしょう。

障害児保育にかかわる保育者のスキルアップ

保育者が障害児保育に対し深い興味・関心を持った場合、より専門的なスキルアップの道も検討できると思います。保育士や幼稚園教諭の資格を持って保育に携わっている場合、さらに資格に関する知識を得たり実際に資格を取得したりすることなども役に立つかもしれません。「社会福祉士」なら障害児通所支援サービス施設等での支援業務などに関連があります。

「精神保健福祉士」なら知的障害や発達障害のある子どもの療育に関連があります。「看護師」や「介護福祉士」などの知識・資格も障害のある子ども達のさまざまな状況に応じて生かせる可能性があります。スキルアップにはもちろん、多くの努力が必要です。また、保育者を目指している人が障害児保育を専門的に学び、将来の職として選んでいきたい、という希望もあると思います。保育を学ぶことのできる大学、短期大学、専門学校等の中には障害者福祉関連の専攻課程やコースなどが選べるところもあります。

将来の希望のために高度な知識などを身に付け、その過程の中で取得できる資格なども自分のものにしておく、というのも手段として自分のためになるでしょう。保育者や保育者を希望する人達の熱意が子ども達のため、保護者の方々のため、そして社会全体とその人自身のために生かされることを願っています。

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