栄養士から管理栄養士へのステップアップ ~仕事の広がりと資格取得~

栄養士から管理栄養士になると仕事の幅や給与もしっかりと上がっていきます。それでは、どのような違いがあるかしっかり学んでいきましょう。

目次

  1. 【1】■食育の浸透で栄養の専門家に活躍の場が増える

  2. 【2】■栄養士、管理栄養士を目指す方法と、その「違い」

  3. 【3】■栄養士として、管理栄養士として働くときの「差」

  4. 【4】■栄養士、管理栄養士が保育現場で求められること

  5. 【5】■管理栄養士の資格取得のために

  6. 【6】■管理栄養士プラス、食育関連の知識や資格も

■食育の浸透で栄養の専門家に活躍の場が増える

 

保育園 栄養士

 

栄養士、管理栄養士は文字通り「栄養」の専門家です。さまざまな食事を提供する場所で栄養素の計算等をもとに献立を作成したり食材を選んだりすること、そして「栄養指導」といって、食事の栄養についての解説などを実施する仕事をします。

近年、保育園などの施設が「栄養士、管理栄養士がいます」と保護者などに対しアピールすることが増えました。保育施設で提供する給食やおやつに関して、専門家がしっかりと管理をしているということが保護者の安心につながっているからです。

「食育」が浸透し、食の安全や食事の大切さが改めて重視されるようになったことは、栄養の専門家にとってキャリアの選択の幅を広げていくことなどのきっかけにもなっています。栄養士と管理栄養士の違いとステップアップに関して、さらに保育の現場における栄養士、管理栄養士の活躍などについてお伝えしていきます。

■栄養士、管理栄養士を目指す方法と、その「違い」

すでに栄養士として仕事をしている人にはよくわかっていることですが、一般的には「栄養士と管理栄養士の違い」が何なのか、はっきり伝わっていないのが現実です。ともに資格の名称ですが、資格の種類としては管理栄養士が国家資格です。栄養の専門家を目指したい場合には、栄養士を養成する過程がある大学、短期大学、専門学校で学び卒業する必要があります。

過程を修め卒業することで栄養士の資格を取得できます。栄養士は「都道府県知事免許を受け、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者」と栄養士法で定められています。さらに管理栄養士は、栄養士免許を持つ人、もしくは管理栄養士の養成課程のある学校、施設を卒業した人が国家試験に合格することで厚生労働大臣の免許を受けます。

この違いがあるので「栄養士の段階を上げた資格が管理栄養士」であるといえます。管理栄養士となると、仕事の内容もステップアップします。栄養士の業務の対象は健康な人ですが、管理栄養士はさらに、病気を患っていたり高齢だったりして特別な配慮が必要な人も対象に栄養指導等を行うことができます。医療機関や老人保健施設、健康増進法で定められた特定給食施設(特定かつ多数の者に対して、継続的に食事を供給する施設)では管理栄養士が栄養指導を行います。

■栄養士として、管理栄養士として働くときの「差」

 

栄養士

 

栄養士法では、栄養士が「栄養の指導に従事」すると定めているのに対し、管理栄養士は「高度な専門知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養指導」や「特別の配慮を必要とする給食管理、及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導を行う」などと定義しています(この内容は法律の文章から省略しながら抜き出しています)。とくに栄養のほかに医学的な面や臨床分野において専門知識があるのが管理栄養士であり、栄養指導に対して「保険診療報酬」が支払われるのは、管理栄養士のみです。

医療現場には栄養士も管理栄養士もいますが、保険診療報酬があることから医療機関からすると管理栄養士が「ありがたい」ともいえます。また、保育現場でも近年は子どもが減少し保育施設も「競争」ということを考えているので、より保護者のニーズに応えるために食育、栄養でも「高度な」ものを求める傾向がありますので、管理栄養士が有利であるともいえます。このような差を意識しているので、栄養士で管理栄養士へのステップアップをはかり、より専門性の高い業務に取り組みたいという方も多くいます。

■栄養士、管理栄養士が保育現場で求められること

保育施設における栄養士や管理栄養士の活躍は給食やおやつが主ですが、それだけではありません。食ということに求められることの幅は広がっています。

乳幼児期は味覚を形成する時期であると同時に食習慣を身に付け、豊かな食生活を生涯にわたって送っていくための基礎となるときです。食育は、保育の現場でも生きる力の基本として、教育の一環としてとくに重要視されています。

2005年の食育基本法制定から国をあげて食育が推進されていて、その中で中心的な役割を持っているのが栄養士、管理栄養士ですから、個々が専門性を高めたり多様な経験を積んだりすることがプラスになるのは明らかです。献立を作成することだけが栄養の専門家の仕事ではありません。食材に旬のもの、有機野菜や地元で取れたものを使ったり、日本の伝統的な食文化を伝えたり外国の食文化を教えたりということにもかかわることがあります。

子ども達が畑で野菜を栽培するなど食材調達にかかわる場合もありますので、その場面で栄養に関する知識が必要とされることもあります。子どもの年齢にだけでなく一人一人の発達に食も合わせていく必要がありますし、アレルギーのある子どもへの対応にも多くの配慮が必要です。保育士との連携だけでなく栄養の専門家として直接、保護者との連携を行う場合もあります。食に関するイベントや行事に深く関わることも可能です。求められるだけでなく自ら提案して仕事の幅を広げる栄養士、管理栄養士もいます。そのような場で、より説得力のある存在として信頼を得るために栄養士から管理栄養士へのステップアップを考える人もいるのです。

■管理栄養士の資格取得のために

栄養士から管理栄養士になるために資格を取得する際には条件があります。管理栄養士の養成課程のある学校等を卒業した場合には実務経験がなくても資格試験の受験資格がありますが、栄養士の養成課程を経て栄養士となった場合、一定期間の実務経験を積む必要があります。

一定期間というのは、養成機関である学校等で学んだ年数と実務経験の合計が「5年」以上となるように計算します。4年制大学なら実務1年、3年生の短期大学や専門学校なら実務2年、同じように2年生の学校等なら実務3年が必要です。管理栄養士の国家試験は年1回、実施時期は毎年3月です。受験に年齢の制限はありません。試験内容は筆記試験で9科目、200問のマークシート方式です。

2016年3月に実施された第30回管理栄養士国家試験では、厚生労働省の発表によると19,086人が受験し合格者は8,538人、合格率は44.7%でした。合格の基準は総得点の60%です。全てに正解する必要はなく、ポイントを押さえて勉強することが合格への道です。過去問題集が市販されていますので、繰り返し解くことが効果的という体験者の声もあります。高度な内容ですので、ただ「覚える」という勉強はあまり効果がありません。過去の問題を解説とともに理解していく姿勢が大切です。通信講座等を利用して試験を突破した、という人も一定数、いるようです。栄養士としての仕事をしながら勉強する場合には効率も大切です。自分自身に合う勉強法で試験に臨みましょう。

■管理栄養士プラス、食育関連の知識や資格も

保育施設で管理栄養士として仕事をすることを希望している人は増加しています。食育の意識が高まり、ニーズも増していますが、同時に職業としての人気も高まっているためで、競争率が上がる傾向です。管理栄養士にステップアップをはかり、さらに食育関連の知識や資格を得ることで「差別化」をはかる人も増えています。

食育や食に関する資格は多く、主なものとして一般社団法人FLAネットワーク協会が認定する「食生活アドバイザー」や一般社団法人日本味育協会が認定する「食育実践プランナー」などがあります。自分自身の興味や関心に合わせ、参考にしてみてください。

 

 

保育ぷらす

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