保育士の研修 ~OJTで新人保育士やブランクのある保育士が体験したこと~

保育士 研修 OJT
保育士のキャリアアップとしてOJTはとても重要です。そのOJTに関してしっかりと理解し転職に役立たせましょう。

目次

  1. 【1】■保育士の研修でOJTを行う場合

  2. 【2】■保育士のOJTの目的

  3. 【3】■保育士のOJTで指導をする側に必要なこと

  4. 【4】■新人保育士がOJTで体験し考えたこと(1)

  5. 【5】■新人保育士がOJTで体験し考えたこと(2)

  6. 【6】■ブランクのある保育士がOJTで体験し得たもの

  7. 【7】■OJTで「マイナス」を感じることも

  8. 【8】関連コンテンツ

■保育士の研修でOJTを行う場合

保育士として、保育園などに就職が決まったときや、保育士を目指す専門課程のある学校に通っているときなど、実際に施設に行って研修を実施することがあります。とくに、保育施設への就職が内定後、入社前の研修として実際の業務を経験するという形でOJTの形をとるところも多くあります。OJTは英語の「On-the-Job Training」の略で、これから仕事をする予定の人が、実際の業務の中で指導やフォローを受け、経験して学んでいく形式の研修です。

対になる言葉はOff-JTで、こちらは「Off-the-Job Training」であり、実際の職場ではない場所で仕事の知識やマナーなどを学ぶ形式です。保育士のOJTの効果は、実際の職場である園などの施設の「やり方」を知り、子ども達とともに過ごすという生きた環境を体験しながら学べることです。保育施設等では園によって保育方針や職員同士の連携の仕方が異なり、子ども達への接し方なども、それぞれに工夫がされているので、実際の体験が最大の学びとなることが多いと思います。OJTを体験した人達に聞いたお話などをもとに、保育士の研修についてお伝えします。

■保育士のOJTの目的

保育園など、保育士を雇用した側としては、新人でこれまで保育の経験が全くない保育士や、ブランクを経て再び就職した保育士、ほかの施設から来た保育士などに対し、業務に慣れ、その人の力を十分に発揮してほしいと考えます。人員は「戦力」ですから、慣れていない状態を早めに克服し、ミスなどをせずしっかりと働いてもらいたいのが希望です。

そうはいっても、就職した保育士の立場では、もちろん「頑張ろう」という意欲はあっても最初は不安があり、何をしていいのかわからないという状態からスタートします。この、双方の期待と不安のギャップを埋めるために、OJTで実際の業務を体験しながら学びます。

■保育士のOJTで指導をする側に必要なこと

OJT

 

OJTで指導をする上司、先輩にあたる人も、責任を持って仕事を伝えていく必要があります。単に保育の現場に研修生を連れていき「はい、こうやっているから見て同じようにやってね」と真似をさせるだけ、とか「これはこうやるから」と教えるだけで終了、というわけにはいきません。業務の基本だけでなく、その施設は1つ1つの業務に対してどのような考え方を持っているのか、どんな行動や気配りが子ども達や保護者のためになるのかといったことを伝えます。

仕事の表面だけでなく、その「意図」「目的」を伝え、考えてもらい、今後に生かせるようにしなければなりません。OJTを実施する施設、指導係には「計画性」が必須です。子どもと接する、保護者と接するだけでなく事務的な仕事や職員同士の連携も考え周囲をしっかり見て自発的に行動できる保育士を育てるには、絶対に欠かせないことです。

■新人保育士がOJTで体験し考えたこと(1)

実際に保育園に就職が内定し、入社前にOJT形式で研修をした保育士の人達の「体験談」を見聞きしていると、共通の「気付いたこと」がありました。いくつか実例を挙げてご紹介します。ある新人保育士の方は「先輩保育士の子どもへの接し方を実際に見て、勉強したことだけでなく人同士が信頼関係を作るための行動があることがよくわかった」といいます。

例えば先輩保育士は子ども一人一人をよく見ていて、少し様子が違う子どもにはやさしく声掛けをする、子どもに掛ける言葉や声の高さ、強弱まで、子どもが安心できるように気を遣っているといったことを見て、もちろん経験のない自分が気付かなかったことだけれど、今後は、その行動と姿勢を見習っていけると感じたそうです。子どもと接する現場では、物事はマニュアル通り、知識通りにはいきませんが、実際に目の当たりにして感じることは、子どもの様子にしても先輩のやり方にしても心に大きく響き、これから保育士として目指すものを少しずつ明らかにしていくのではないでしょうか。

■新人保育士がOJTで体験し考えたこと(2)

また、別の新人保育士の方は「子ども達の元気な様子、できないことをできるように努力する様子などを見て、成長することの素晴らしさを深く知り、ますます保育士として早く一人前になり、子ども達を伸ばす手伝いのできる存在になりたいと思った」といいます。また、子ども達が伸び伸びできる背景には先輩保育士の人達の支えが細かいところまであるのを感じて、教えてもらった保育方針やその意味が子ども達に対して生きていることを学んだそうです。

このように、経験のない人は、自分の将来に対して「保育の道」を進んでいくことを改めて確認する意味でもOJTで気付いたことが重要となってきます。その施設で掲げる方針や保育への考えを実感することも重要です。いくら方針や計画を定めていても、子ども達のために役立っていないなら意味がありませんが、保育の現場では施設、保育士が協力して子ども達のために保育計画を進めています。新人保育士の方々にとっては生きた現場、子ども達を見ることや、目指す姿として先輩保育士達の仕事を見ることが大きく印象に残り、それが次のステップへ進む意欲や自覚につながっているといえます。

■ブランクのある保育士がOJTで体験し得たもの

研修によってその保育施設に慣れていくことが必要とされるのは未経験の新人保育士だけではありません。その施設に転職してきた保育士、保育スタッフも同様です。中でも、以前は保育士として働いていて、ブランクを経て再就職した、というケースではOJTによって多くの得るものがあります。あるブランクのあった保育士の方は「研修がOJTだったので、以前、行っていた保育と、今の園の保育の違いを短期間で比較して整理できた」といいます。保育の現場では、施設や園によって細かいところまで異なる決まりごとや習慣的に行っていることなどがあります。

保育という基本的なところは同じでも、少しの違いで戸惑ってしまうといったことは、誰にでもあることで、ましてブランクを経ている人であれば、その違いを不安に思うことも多いでしょう。OJTで「実際にやってみる」ことが、以前の経験による仕事の勘のようなものを取り戻すきっかけにもなりますし、違いがあることも理解して動けるようになれば自信もつきます。ブランクのある保育士の方は「ブランクのある自分でも大丈夫かな」と感じ、自信がないという声をよく聞きます。その不安解消にOJTが役立っているとえます。

■OJTで「マイナス」を感じることも

OJTは現場での研修であり、仕事を実際にしている人達、子ども達、保護者達など関係する人達の中に入る、本当に「生」の体験です。その中で「マイナスの感想」を持つ人も、もちろんいます。ある保育士の方は、新しい職場である園でOJTを実施し、その職場への就職をやめました。なぜなら、その園では職場の連携が取れていないために業務が滞り、研修をしている方へのフォローもなかったからです。現場だからこそ見えることがあり、業務がうまくいっていない原因は職場の人間関係なのではないかと思い、その中に入る自信がなくなったことで内定を辞退したそうです。

また、ほかの保育士の方の体験では、同じようにOJTで疑問を感じたことがあっても、そのことについて上司や先輩に質問や相談をして解決し、無事に働き続けたケースもあります。このように、施設や仕事が自分に合っているかどうか見極めるため、マイナスポイントについて考えることもOJTによって可能となります。いずれにしても、しっかりとした研修体制や、研修での伝える姿勢は保育施設に必要なことです。そして研修を受ける側も、覚悟や意欲、理解しようとする姿勢や観察する視線をもって臨むことが大切ですね。

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