保育お役立ちコンテンツ

待機児童問題から1年!各自治体の保育対策とは

保育 待機児童問題
各地域における待機児童問題ですが、その解決策や住みやすい街は一体どのような街でしょうか。

東京都の区ごとの待機児童対策・補助

近年、保育園に入りたくても入ることのできない待機児童の数が全国的に問題になっています。

中でも日本の人口が集中する東京23区ではその問題はより一層深刻です。人はたくさんいるけど土地は限られているという条件下において、保育所を新設することはほかの地域と比べてもかなり難しくなります。

そんな中でも東京23区自治体は様々な対策で何とか待機児童の問題を解決しようと取り組んでいます。

今回は、そんな東京23区の自治体の待機児童問題に対する取り組みを紹介していきたいと思います。

世田谷区の待機児童対策

まずは世田谷区。

世田谷区は2016年度のデータで待機児童の数が東京都内で1位。もちろん全国でも1位。その数はなんと1198人。過去最高だった前年同時期のデータからさらに16人増えました。東京都2位の江戸川区が397人なのでその数の異常さがうかがい知れるかと思います。

そんな不名誉な1位を獲得してしまった世田谷区ですが、何もしてこなかったわけではありません。むしろ、世田谷区は待機児童問題を解決するために様々なことをしてきました。事実、過去5年の間で区内の保育定員数は5000人以上増えています。問題は、どれだけ定員数を増やしてもそれ以上に人口が増えてしまうことです。

日本全国では少子高齢化における人口減少が問題視される中、東京、中でも世田谷区は真逆の驚異的な人口の増加を見せています。2016年には10か月の間に1万人の人口増加が記録されるというスピードです。30代から50代世代の転入が多いということもあり、認可保育園の入園希望者数も5年で46%増。同時期の5000人の保育定員数増も吹っ飛んでしまう人口の増加です。

そのような状況もあり、世田谷区は人口推計を見直し、3年後までに保育定員数をさらに35%増やすことを目標に掲げた対応案をつくりました。

そんな世田谷区ですが、実は3歳児以上の待機児童はほぼすべて解消されています。先ほど挙げた1198人の待機児童のうち1194人が0~2歳の低年齢児なのです。

そのため、世田谷区の待機児童対応策は主に低年齢保育の施設充実にフォーカスが置かれています。低年齢保育に特化した保育室の運営を改善し、補助金を増やし、人材育成を促すなどできるだけ既存の施設を活用する形で保育定員数の増加に取り組んでいます。

今後もさらなる人口増加が見込まれる世田谷区。待機児童数全国ワーストという汚名を返上するためにはさらなる継続的な対策が必要となるでしょう。

杉並区の待機児童対策

 

待機児童問題

 

杉並区の2016年待機児童の数は136人で東京の自治体の中で27位。杉並区の未就学児の人口が東京都で9番目に多いことを考えるとその数は少ないといえるのではないでしょうか。

杉並区の田中良区長は2017年4月までに待機児童の数を0にすることを目標に掲げました。これは安倍政権が掲げた2017年末と比べても早い目標です。

杉並区もまた人口が増えている自治体の1つです。東京23区の西部、城西地区に位置し住宅地が立ち並び、東京23区で6位の人口を有する自治体でありながら1999年から2010までの間で新設された認可保育園の数はわずかに1か所。それで足りない部分は、ビルの一室などでも設置できる認可外の保育園が補ってきたという現実があります。

そういった状況を解決するために、「待機児童対策緊急推進プラン」を策定し、数百人単位での認可保育園保育定員数の増加を行っています。2010年から2016年度の7年間で48カ所の認可保育所の新設を予定しています。2010年に5184人だった認可保育所の保育定員は2017年4月には9144人までに増加する見込みとなっています。

さらに、杉並区では未就学児のいる子育て世帯に一時保育などの子育てサービスに利用できる「子育て応援券」も発行しています。

杉並区が目標とする2017年4月の待機児童0の目標が達成できるかは微妙なところではありますが、このような施策が他の東京23区自治体と比べて、少ない待機児童数になっていることは事実といえるでしょう。

品川区の待機児童対策

続いては品川区。

実は品川区は『子育てするなら品川区』というスローガンを掲げて、子育てのしやすい街づくりを区をあげて行っています。

品川区の2016年待機児童の数は178人と東京都内の62市区町村のうち19番目という数字です。

品川区もまた、若い子育て世代の転入の多い自治体の1つとして知られています。2015年から2016年にかけての乳幼児人口の増加数が東京23区で2番目となっており保育所入園希望者数が増加傾向にあります。

そのような状況に対応するため、品川区では待機児童数0を目指す事業の一環として2017年度、区立・私立保育園の新設、既存の施設の定員拡大などを含めて過去最大となる1044人の定員拡大を行いました。2018年度にはさらに535人の拡大を予定するなど保育施設の拡充に努めています。

民間保育所や小規模事業など様々なニーズに対応できる保育施設の拡充も行うべく、そのような施設の開設助成金などに約16億円の予算を計上しています。

品川区ではこのような待機児童数の削減のみならず、小学校1年生からの英語学習の推進や、校庭の芝生化など、学校教育の設備の充実にも力を入れており、子どもを育てたい街づくりに力を入れていることがうかがえますね。

荒川区の待機児童対策

保育園への入りやすさを知るためには、単に待機児童数を比べるだけではわからない部分があります。待機児童の数は各自治体が発表しており、その定義は微妙に異なります。保育園に子どもを入れることができずに育児休暇を延長した場合、その子どもは待機児童の数には含まないという数え方をしている自治体もあり潜在的な数はなかなかうかがい知ることはできません。

さらに、単純に人口の異なる自治体を待機児童の数だけで比較しても正確な現実の反映とは言えないでしょう。

そこで重要になるのが入園決定率。認可保育園に新たな入園申し込みをした人のうちどれだけの人が入園できたかを示す数字です。そして、その数字が高いのが荒川区。77.5%の入園決定率を誇っています。

実際、荒川区は日経DUALが発表した「共働き・子育てしやすい街ランキング東京編」で堂々の1位を獲得しました。

それほど面積が大きくなく土地の少ない荒川区では、既存の施設をできるだけ使いこなして保育施設の拡充を行っています。例えば、都立汐入公園の敷地内に2017年新しい保育園を開設しました。

本来、都市計画法によって、公園内に保育所を作ることは不可能なのですが、荒川区の職員が国に働き掛けて規制緩和を行わせるなど、かなり積極的に動く入ているのが荒川区の待機児童対策の特徴です。

しかし、そんな荒川区も子育てのしやすい街という噂が広まるにともなって転入者が増たこともあり、近年待機児童がまた増加傾向にあります。

まとめ

今回は、様々な自治体の待機児童対策を紹介しました。東京という大都市。限られた土地にたくさんの人が住む環境のなかで各自治体は保育所開設のための土地獲得に頭を悩ませています。

保育施設を拡充し、待機児童を減らすことに成功した自治体の話が広まると、逆にその自治体に転入者が急増し、待機児童がまた増えてしまうなど待機児童の数は時とともに大きく変動します。

保護者のみなさんが子どもを保育園に入れることに煩わされることなく、出産・子育てのできる環境が少しでも整うことを期待しましょう。

登録はこちら
登録はこちら
会員登録(無料)