名前は聞いたことがあるけれど…シュタイナー教育ってどんなもの?

シュタイナー教育
モンテッソーリと並ぶ有名な教育法であるシュタイナー教育。こちらの教育方はどのような物なのでしょうか。

目次

  1. 【1】シュタイナー教育って?

  2. 【2】シュタイナー教育の特徴は?

  3. 【3】思想家ならでは?シュタイナーの教育に対する考え方

    1. 1.●発達段階に合わせた独自の教育

    2. 2.人間は七年ごとに節目が訪れる「七年周期説」

  4. 【4】テストや通知表がない?シュタイナー教育6つの特徴

    1. 1.①ゲームやテレビは禁止。自然素材のものを

    2. 2.②なぜ?あえて絵本は読まない

    3. 3.③芸術をたっぷりと取り入れた授業

    4. 4.④エポック授業

    5. 5.⑤通知表・点数で子どもを評価しない

    6. 6.⑥独自の科目「オイリュトミー」

  5. 【5】シュタイナー教育の懸念点

「シュタイナー教育」という言葉を聞いたことがありますか。

幼児教育を専門に学んでいた人であれば、その名前を耳にしたことがあるかもしれません。
シュタイナー教育とはいったいどんな内容なのか、解説をします。

シュタイナー教育って?

シュタイナー教育は、オーストラリアの哲学者・思想家であるルドルフ・シュタイナー(1867~1925年)が1919年にドイツではじめた教育法です。
シュタイナーは、ドイツの工場労働者の子どもたちが通う「自由ヴァルドルフ学校」の最初の校長として就任し、独自の世界観を軸とした教育を展開しました。
ドイツでは、その発祥から「ヴァルドルフ教育」と呼ばれています。
シュタイナー教育はドイツを中心に世界に広がり、日本でも7校のシュタイナー教育実践校があります。
シュタイナー教育の要素を取り入れた幼稚園なども増えつつあります。

日本では、俳優の斎藤工さんやタレントの黒柳徹子さんも幼少期からシュタイナー教育を受けて育っていることを公表しています。

  • シュタイナー教育の特徴は?

    シュタイナー教育では、知識の詰め込みを行わず、子ども自身の考える力を養い、自由な発想をもって生きられる人間を育てる「全人教育」を行っています。
    もちろん、算数や国語といった一般的な教科も学んでいきますが、その学び方にも特色があります。
    それは、学習も芸術活動と結び付けて行うというもの。
    たとえば、教員が黒板に書く内容をただ書き写すのではなく、絵の具を使って表現する。ただ暗記をするのではなく、歌や劇、詩を使って覚える……。
    これは「芸術活動として行った学習のほうが、記憶に鮮明に残っていく」という考え方から行われています。

    思想家ならでは?シュタイナーの教育に対する考え方

    思想家であり哲学者であるシュタイナーならではの独特な価値観が軸となり、シュタイナー教育は行われています。
    いったいそこには、どんな考えがあるのでしょうか。

    ●発達段階に合わせた独自の教育

    シュタイナーは人間を四つの構成体で形成されていると唱えています。

①物質体(0歳で生まれる)
0歳で生まれる体そのもののこと。
②生命体(7歳ごろに生まれる)
引力の法則に逆らい、上へと伸びる力。つまり、成長する力のこと。
③感情体(14歳ごろに生まれる)
快・不快など、喜怒哀楽に結び付く感情の動きのこと。
④自我(21歳ごろに生まれる)
自分の力で考えたり、話したり「私」という意識を持つこと。

人間は七年ごとに節目が訪れる「七年周期説」

  • 保育士

    上記の考え方からもわかるように、シュタイナー教育では「七年」という周期が重要だと考えられており、七年ごとの発達に合わせた教育環境が大切であると唱えられています。誕生から7歳までを「第一・七年期」、14歳までを「第二・七年期」、21歳までを「第三・七年期」と呼び、発達に合わせて環境を整え、学んでいきます。

①第一・七年期(0歳から7歳まで)
体をつくる時期です。しっかりとした体をつくることは、意志力や行動力の源となると考えられています。
この時期は特に、子どもに吸収されてよいものを周りに置くようにします。
シュタイナー教育で取り入れられている遊び道具は、どれも自然素材のものばかり。プラスチック製品はもちろん、スマートフォンやコンピューター、テレビといった電子機器は排除されます。
②第二・七年期(7歳から14歳まで)
たくさんの芸術的刺激を受け、感情を豊かにはぐくむ時期です。さまざまな体験から世界の美しさを知ることができるよう、芸術教育が行われます。
この時期に得た感情体験が、将来豊かな感情を持てるかどうかにつながると考えられています。
③第三・七年期(14歳から21歳まで)
自我が発達する時期です。抽象概念、思考力を身に着け、知力や判断力を作り出していくことが課題となります。

このように、自立した大人として巣立っていくことために、意志、感情、思考を順番通りに身につけることが大切だと、シュタイナー教育では考えられています。

テストや通知表がない?シュタイナー教育6つの特徴

シュタイナー教育における基本的な考え方について解説しましたが、思想家・哲学者であるシュタイナー特有の価値観はすぐに理解できるものではないかもしれません。
では、幼児教育の現場ではどのように取り入れられているのでしょうか。

①ゲームやテレビは禁止。自然素材のものを

シュタイナー教育を採用する園では、天然の木や絹、綿、羊毛といった自然素材で作られたおもちゃを取り入れています。基本的にはプラスチック製品はNGで、テレビやゲームといったメディアも禁止です。

また、食べるものにこだわる園も多く、無農薬野菜や添加物を極力使用せずに作られた給食を提供するなど、食事にも自然素材を取り入れているケースが多く見受けられます。

②なぜ?あえて絵本は読まない

絵本や紙芝居を使わず、言葉のみで物語を伝えるのもシュタイナー教育の特徴です。これは、あえてイラストを省くことで子どもたちのイメージを膨らませるというものです。

語り口調もあえて抑揚をつけず、感情を抑えることでさらにそれぞれの世界観を大切にはぐくんでいきます。

③芸術をたっぷりと取り入れた授業

算数や国語といった教科であっても、ただ数を数える、言葉を覚えるなど単調に学ぶのではなく、シュタイナー教育では、すべて芸術活動と絡めて学んでいきます。
シュタイナー教育を実践する学校では教科書がなく、教師は教科書の内容を自ら創意工夫しながら子どもたちに伝えます。
子どもたちは「エポックノート」と呼ばれるノートに、それぞれの感性をもって自由に記録します。
折り紙を使う子、絵の具やクレヨンを使う子、落ち葉を使う子……さまざまですが、学びを芸術として行うことで、より鮮明に記憶していくことができると考えられています。

④エポック授業

シュタイナー教育では、一般の学校教育のような時間割制は採用されておらず、「エポック授業」と呼ばれる独自の制度が採用されています。
エポック授業とは、国語や算数、理科、社会といった教科を、一日およそ100分のあいだ数週間連続して学ぶというもの。
毎日いろんな教科を学び進めるよりも、一定の期間ひとつの教科を学び続けたほうがより集中して学ぶことができるという考えから、このようなシステムが採用されています。

⑤通知表・点数で子どもを評価しない

テストが行われないのもシュタイナー教育の特徴です。

一般的な学校教育では、テスト・試験などで学習計画に基づいた到達度を測りますが、シュタイナー教育では到達度を一律に決めません。
一人ひとりの成長を記録していくことが大切だと考えられているため、点数での評価は行わず、エポックノートや制作物で子どもの成長を確認しています。

⑥独自の科目「オイリュトミー」

シュタイナー教育では「オイリュトミー」と呼ばれる独自の教科があります。
これは、音楽や詩に合わせて体を動かし、気持ちやストーリーを表現するというもの。

みんなで輪をつくってボールを投げたり、音楽に合わせてダンスで感情を表現したり……。
その内容はさまざまですが、こうした体験をきっかけに、豊かな感情を持ち、どう表現するか考えることを覚えていきます。

  • シュタイナー教育の懸念点

    自由に学び、創造力や感性を育む教育を行うシュタイナー教育。
    魅力的な面も多いのですが、一方で懸念されている点も少なからずあります。
    たとえば、日本でシュタイナー教育を行う学校の多くはフリースクールであることが多く、小中学生の義務教育期間中に通う場合、義務教育校と二重籍になってしまうという問題があります。
    また、到達度を相対的に測らないという特性上、子どもの習熟度が目に見えてわかりにくいと考える人も少なからずいるようです。
    とはいえ、近年、幼稚園などでシュタイナー教育の要素を取り入れる園は多く、子どもの豊かな心を育む教育法のひとつとして注目が集まっていることは間違いないでしょう。

 

保育ぷらす

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