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使用済みおむつ、持ち帰るべき?賛否がわかれる保育園のおむつ事情

保育園によって異なる「使用済みおむつ」の取り扱い。「汚れたおむつは家庭で処分して!」という園の方針に、ネットでは疑問の声が上がっています。使用済みおむつを持ち帰る理由や、持ち帰るときの注意点を解説します。

保育園によっては「使用済みおむつは家庭で処分してください」というルールを設けている園が少なからずあります。

使用済みおむつの扱いは園によって異なりますが「いったいなぜ持ち帰らないといけないの?」「我が子のおむつくらい嫌な顔をせずに持ち帰るべき」と賛否が分かれ、議論が巻き起こっています。

そもそも、いったいなぜ使用済みおむつを持ち帰らなくてはならないのでしょうか。

なぜ?使用済みおむつを持ち帰るべき理由

紙おむつ

おむつ外れ前の子どもたちが保育園で過ごすうえで欠かせない「紙おむつ」。

預けた子どもを迎えに行った際に、着替えと一緒に使用済みのおむつを持ち帰る園も多くありますが、「使ったおむつは園で処分してくれたらいいのに…」という意見も少なからずあがっているのが実情です。

ですが、“使用済みおむつは持ち帰り”としている園には、きちんとその理由があります。

集団感染のリスク回避のため

紙おむつを処分するときに、必ず考えなければならないのが“感染症のリスク”です。

ノロウイルスやロタウイルスなど、おむつに付着した尿や糞便はさまざまなウイルスの感染源。

使用済みのおむつを園で処分せず、各家庭で処分してもらうことで、保育士や園で預かっている子どもたちの間にも感染症がひろがるリスクを最小限にとどめるという目的があります。

国立感染症研究所では、子どもたちの汚物が衣服に付着した場合、洗浄せずにそのまま密封した上で、保護者に持ち帰ってもらう方法を勧めています(ロタウイルスの場合)。

また、園で処分する場合、収集されるまで園で使用済みのおむつを保管しなければなりません。保管場所が必要となるうえ、保管場所の衛生環境をどのように維持するかなど課題が多いのが実情です。

処理コストがかかるため

保育園でおむつを処分する場合、“事業系一般廃棄物”の扱いとなるのが一般的。家庭とは異なり、処分コストがかかります(自治体によっては産業廃棄物として廃棄するケースもあるようです)。

事業系一般廃棄物として処分する場合、体積に応じて処分費用がかかります。

多くの子どもたちを預かっている保育園に溜まっていく使用済みおむつの量は膨大ですので、当然処分費用も高額になってしまいます。

使用済みおむつを保育園で処分としている園では、おむつの処分費として別途費用を徴収しているケースがほとんどです。

子どもの健康管理のため

尿の量や糞便の状態は、いわば子どもの体調を表す指標のひとつです。

「普段と違う様子はないかどうかを保護者にチェックしてもらう」ことを目的に、おむつの持ち帰りを推奨している園もあるようです。

処分はサービス?持ち帰りは認可園に多い

使用済みおむつを持ち帰りにするか、園で処分するのかは、保育園の判断に委ねられています。

「持ち帰って各家庭で処分」というルールを掲げている園は公立・私立ともに認可園に多く、無認可園や認証園では「園で処分」としているケースが多いようです。

保育料が統一料金の認可園の場合、処分にかかる費用を別途徴収しにくいという状況が背景にあるのかもしれません。

おむつを持ち帰るのは保護者も園も大変!

ここまで「使用済みおむつを持ち帰りにするべき理由」について解説してきましたが、使用済みおむつを持ち帰ることに負担を感じる保護者は少なくありません。

ずっしりと重たくなった使用済みおむつは臭いも気になりますし、たとえわが子のものであっても、積極的に持ち歩きたくないものですよね。

送迎にバスや電車等の公共交通機関を利用しなければならない場合や、買い物や外食をする場合には、特に負担に感じられるようです。

また、園で使用するおむつを準備するために、おむつに名前を記入するという手間も増えます。

園によっては「記名の必要なし」「おむつは園で用意」というところもありますから、不公平感を覚える方もいるようです。

保育士にとっても「持ち帰って処分」は負担に

「園で処分する必要がないのだから、保育士は持ち帰って処分してくれたほうが楽なのでは?」と思うかもしれませんが、実はそれは大きな間違い。

おむつを持ち帰って家庭で処分する場合、おむつ替えをした後に、子どもごとにおむつを仕分けるという手間が増えてしまいます。うっかり違う子のおむつを持ち帰らせるわけにはいきませんから、この仕分けも神経を使う作業です。

また、保護者が持ち帰るまでの時間、使用済みのおむつを袋に入れて保管している場所も必要になりますし、保管している場所も悪臭がしないよう気を配らなければなりません。

おむつを持ち帰らせるのは、保育士にとっても負担になっているのが実情です。

おむつ持ち帰りは本当に必要?

「持ち帰り(家庭で処分)」と回答している方も少なからずいる様子。

 

集団感染のリスク回避や、子どもの健康状態を保護者に把握してもらうため…など、おむつを持ち帰りにすべき理由も確かにあるのですが、はたして本当に「おむつ持ち帰り」は必要でしょうか。

集団感染のリスクを回避するには、尿や糞便に含まれた菌やウイルスが飛散しないよう適切に保管されている必要がありますが、正しく保管されていない場合、かえって拡散してしまう原因にもなりかねません。

登園に電車やバスなどの公共交通機関を使っている方もいますし、帰りにスーパーや飲食店に立ち寄る方だっています。

厳重にくるまれていたとしても、汚物を持ち歩かなければならないのは不衛生ですし、行く先々で感染源となってしまうリスクだってはらんでいます。

そんなリスクを負ってまで、「家庭で処分すべき」といえるでしょうか。

また、中には「子どもの排せつの状況を保護者に把握してもらうため」という理由で持ち帰りにしている園もあります。ですが、排せつ物に含まれたウイルスや菌を吸い込まないようマスクやゴム手袋を着用し、厳重装備のうえで使用済みおむつを毎日チェックする…そんな保護者が、いったいどのぐらいいるのでしょうか。

「持ち帰りがいらない園を選びたい」という声も

保護者のなかには「おむつの持ち帰りがない園を選びたい…」という声もあがっています。

おむつを使用するような年齢の子どもの場合、抱っこで移動していることも少なくありません。

特に子どもが小さい時期はおしりふきに替えのおむつ、着替え、離乳前の子どもであれば哺乳瓶や調乳アイテム、水分補給用のマグ…と荷物が多く、さらに自分の荷物を抱え、わが子を抱っこする…となると、なるべく荷物を減らしたいという保護者の気持ちは痛いほどに伝わりますよね。

使用済みおむつを持ち帰るかどうかの議論は続く

園によって対応が分かれる使用済みおむつの持ち帰り問題。

施設側が使用済みおむつを保存する場所が確保できない等の理由のため、保護者が持ち帰るケースもある一方で、感染症予防のために施設での処分を望む声も多くあがっています。

国のガイドラインが明確に定められておらず、各自治体や各施設に判断がゆだねられている使用済みおむつの持ち帰り問題。さまざまな立場や観点から、これからも議論が続いていきそうです。

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