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夫婦で育児が当たり前!ノルウェーの保育制度

ノルウェーの保育
日本ではまだまだ男性は育休が取りづらく、両親が協力して育児をしていくことは中々難しいのが現状です。一方、ノルウェーでは父親も母親も仕事と育児を両立できるような様々な制度が整っています。

ノルウェーは『お母さんに優しい国』?

国際的な子ども支援NGOである「セーブ・ザ・チルドレン」は、2015年に「お母さんに優しい国ランキング」を発表しました。なんとそのランキングでノルウェーは、2015年・2016年に1位を獲得しているのです。このランキングでは、妊産婦死亡の生涯リスク、5歳未満児の死亡率、公教育の在籍年数、国民1人あたりの所得、そして女性議員の割合をもとに算出されています。

また、北欧は、福祉や子育てが充実していることで有名ですが、もちろんノルウェーにも様々な制度が整っています。なんといっても国全体が子育てへの関心が高いために、子育てがしやすい環境なのです。国をあげて「子どもを保育園に必ず入れられる」「職場の働き方の柔軟性」「子どもが病気の時などに仕事を離れられる」という3つのことが保障されているというのは、子育て世代の方々にとって、とても安心できるのではないでしょうか。

それでは、ノルウェーにどのような子育て制度があるのか、詳しく見ていきましょう。

『父親の育休』が義務付けられている

ノルウェーでも1977年から父親の育児休暇制度がありましたが、実際に休暇を取る人は皆無に等しく、90年代に入ってからも取得率は4%程度でした。

そのような状況を見かねて、ノルウェーの政府が1993年に導入したのが『パパ・クオータ制度』。パパ・クオータ制度は、育休の一定期間を父親に割り当てるものです。93年にノルウェーが初めて導入してから、北欧を中心に広がっていきました。

ノルウェーでは、父母合わせて最大59週の育児休暇を取得することができます。出産前3週間も含め育休期間49週を選ぶと期間中は給与の100%が支給され、59週を選択すると80%が支給されます。2014年は父親が10週以上育休を取得することが条件(パパ・クオータ制度)となっています。

父親が休暇をとらなければその期間分の権利は消滅し、母親が代わりにとることはできない仕組み。せっかく育児休暇があるのに、それが無駄になってしまってはもったいないので、父親たちは皆積極的に休暇をとります。

休暇は父親、母親ともに、一度にまとめて取得する必要はなく、子どもが3歳になるまでの間なら、好きな時に好きな割合で、分散して休暇をとることができます。

ノルウェーでパパ・クオータ制度が始まったばかりの1993年には2~3%しかなかった男性の育休取得率ですが、現在では約90%の取得率になっています。

日本の厚生労働省の「雇用均等雇用調査」によると、2016年度の男性の育児休業取得率は3.16%。社会構造や文化が違うとはいっても、ここまで差があるのかと少し驚いてしまいますね。

育休後も仕事への復帰がしやすい

ノルウェーは働き方が非常に自由であり、子育てをしながら仕事がしやすい環境が整っていますが、育休後も仕事がしやすい理由はそれだけではありません。

なぜなら、法律で育休を理由とした職務の降格や減給処分は禁じられているため、育休を取得する前と同じ職場・同じポジションに戻ることができるからです。

また、復職した後も、子どもがいると突然の発熱やケガなどで仕事を休まざるを得ないことがよくあります。そのような場合のために、ノルウェーでは、12歳以下の子どもを持つ労働者は、年間10日間の「子ども疾病休暇」が認められています。その休暇は有給扱いとなり、給与は100%支払われます。さらに、子どもが3人以上いる場合には休暇は15日に拡大されます。また、子どもが入院などで欠勤が長期になる場合は、長期有給休暇に切り替えることもできます。

職場でも家庭でも協力するノルウェーの夫婦

ノルウェーの通常の勤務時間は午前8時~午後4時。ほとんどの人は残業などせず、定時だけきっちりと働いています。また、男女平等が徹底されているため男性と女性の労働条件も同じです。

仕事が終われば小さい子どもを持つ父親と母親は保育施設に子どもを迎えにいき、午後4時半には家族全員が家にそろっている光景は珍しくありません。家庭でも一般的に男女は対等の立場にあり、夫婦が分担して家事を行ったり、交代で子どもの面倒を見たりします。

 

ノルウェーの保育

 

充実した保育施設

日本では少し前から、「待機児童」というものが話題になっていますよね。しかし、ノルウェーには「待機児童」は存在しないというのです。自治体は親が保育園への入園を希望した場合、必ず用意しなくてはならないと規定されています。そのため、日本のような待機児童問題はノルウェーにはありません。

保育園は就学前幼児教育の場という位置づけで、バーネハーゲと呼ばれています。バーネハーゲでは1~2歳のクラスは子ども3人に対し保育士が 1 人(日本は6対1)、3~5歳のクラスでは子ども6人に対し保育士が1人(日本は、20~30対1)となっています。このことからも、ノルウェーの保育の手厚さが分かると思います。

ノルウェーでは「子どもオンブット」という国王直轄の団体があり、子どもを「一人の人」として尊敬し、それぞれの子どもに寄り添った保育をするようにしています。子どもが年齢を問わず自由に発言するのは当たり前ですが、保育士は子どもの人格を尊重して接するとともに、子どもの素性や生活状態をきちんと把握することを信条としています。子どもを怒鳴りつけたり、「子どもはこうすべき」という接し方がありません。大人の声にかき消されないようにと、子どもの声を心がけて聞こうとしている印象があります。

また、国籍、人種、障害の有無によらず、すべての子どもを同じ空間で保育することを通して、肌の色や障害などは一つの個性であり、日常的なことであるという環境を幼児期から作っているというのも一つの特徴です。

バーネハーゲの他にも、両親が保育に参加できる「オープン・デイケアセンター」と呼ばれる開放型の保育所や保育士資格を持つ人が責任者となって個人家庭で行う「家庭託児所」などもあります。

家庭で育児をする場合もお金を貰える?

1つ上でノルウェーの保育施設、「バーネハーゲ」についてご説明しましたが、「バーネハーゲ」に入るのは義務ではなく任意となっています。

中には、あえてバーネハーゲに通わせずに「家庭での子どもとの時間を優先したい」という親もいます。そのような方たちのために国から最大7500ノルウェークローネ(日本円にして約10万4千円)の補助金がでるようになっています。

この補助金は1~2才(13~23か月目)の子どもが公的支援を受けるバーネハーゲに通わない場合、最高11か月間受け取ることができます。バーネハーゲに通わせたとしても、預ける時間の割合が少ない場合(週19時間以下)は、50%ほどの補助金3750ノルウェークローネ(5万2000円)をもらうことが可能です。

補助金を貰うのに特に条件はなく、保護者が働いているかいないか、保護者の収入や家族構成などは関係ありません。

まとめ

子どもが生まれた後も、父親も母親も安心して仕事と育児を両立していくことのできるノルウェーの制度。一方で、日本では育休が取りづらかったり、待機児童の問題があったりとまだまだ育児に関する問題は山積みです。

ノルウェーには「家事や育児は女性がする」という考えはそもそもあまりなく、夫婦で協力して仕事や育児を行っている姿勢は、参考にすべき点があるかもしれませんね。

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