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食育は生きる力の基本! 家庭における食育へのアドバイス

最近、どの園でも見られる食育のための試み。でも、本当に意味を理解して行っているのでしょうか。今回は、食育の意義について理解していきましょう。

■食育の浸透と現在、その重要性

家庭 食育

 

保育士や保育スタッフとして仕事をしている人や保育士を目指す人、そして保育に興味・関心を持っている人なら「食育」という言葉や、その実践について見聞きする機会は多いのではないでしょうか。子どもの保護者にとっても、非常に重要なことなので、興味を持ち情報を知りたいという人も多いと思います。改めて「食育とは」といった場合、その意味はとても広い範囲に及んできます。「食育基本法」という法律が2005年に施行されてから、10年以上が経ちました。広く人々に認知され、身近に感じられるようになった食育について、今、改めて解説していきます。「国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができるよう」施策を進めるとして食育基本法が定められた、ということからもわかる通り、子どもにとって非常に重要であることはもちろん、全ての人の生きる力のために欠かせないのが食育です。

■子どものときに身に付け、生きる基本となる食育

食育は単に「食に関する教育」にはとどまりません。食育基本法でも「生きるうえでの基本であって、知育・徳育および体育の基礎となるべきもの」「様々な体験を通じて『食』に関する知識と『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること」とされています。人が、自分にとってより良い「食」を知ること、選ぶこと、そして実際に毎日、食べるという行為を続けていくことの基本となります。だからこそ、子ども時代の食育は大切です。子どものときに身に付いた知識や習慣は生涯にわたって、その人の生き方の基本となります。

■保育施設などで食育を身近に感じる

保育士や保育関連の仕事をする人、保育園などに子どもを通わせる保護者にとって身近なのは、やはり保育施設が子どもに体験させる食育です。食育が認知され、その重要性が当たり前に知られるようになって、力を入れる保育園なども増えました。食材となる動植物を子ども達と一緒に飼育・栽培したり、調理に子ども達を参加させたり、ということを行っている園も少なくありません。食の伝統や文化を知るためのイベントを実施するところもあります。そして、毎回の食事において、マナーや食べ方を身に付けていく、ということも食育です。生きていれば、食べるという行為は欠かせません。「食べられれば何でもいい」わけではありませんから、その基本を生活や保育施設の施策の中で子どもが実感し、自然に自分の中に取り入れていくことが食育の成果です。

■毎日の食事が家庭での食育

多くの人が容易にイメージできるのが保育園での食育だとすると、家庭での食育は、個々で異なるため、なかなかイメージできないものです。家庭でも食事は必ずするものですから、その毎日の食事そのものが食育であり生きる力の育みです。といっても、保護者は、自分の家庭での子育て、食事が本当に食育として「良い」のかどうか、迷ってしまったりわからなくなってしまったりすることもあります。家庭で、子どもに「食」の習慣を身に付させ、健全な食生活を生涯、続けていけるようするための知識をいくつかご紹介します。

■家庭での食育「誕生から離乳食まで」

子どもは誕生してから数年は、当たり前ですが、自分で「食」を選ぶことはできません。家庭で、そして保育施設などで「食べさせる」ことが必要です。誕生から数か月は、子どもは母乳やミルクを与えられて成長します。その後、離乳食、固形の食物、そして大人と同じ食事と、数年かけて、子どもの「食の成長」が進んでいきます。大人になって心身ともに健康でいられて、自分自身が良い食生活を続ける力のある人間となるかどうか、子どもの時期が重要と考えると、家庭で保護者に不安や疑問が生じるのも当然のことです。

「いつから離乳食にしたらいいの?」という疑問は、保育関連の相談でよくある内容です。母乳やミルクではなく、固形物に食事を移行するための離乳食にするのは、生後5~6か月が一般的です。とはいえ、子どもの成長のペースには個人差があります。首がすわり、母乳やミルクでは足りなくなってきたと感じた頃、食べ物に興味を持ち始めた頃に離乳食にするとよいでしょう。食物アレルギーを心配する保護者も多いと思います。離乳食として、初めて与えるものは、まず「ひとさじ」ずつ、そして、食べて子どもの具合が悪くなった場合を想定して病院に掛かる準備などをしてからにすると安心です。

■家庭での食育「離乳食から幼児食」

一般的に離乳食を与える時期を「初期」「中期」「後期」と分けるめやすがあります。生後5~6か月が「初期」の開始、7~8か月に「中期」の開始、9~10か月に「後期」の開始といわれます。初期には母乳やミルクと並行してドロドロ状の離乳食を与えます。子どもに「母乳やミルクではない食事があるんだよ」と伝えるイメージです。中期には舌でつぶせるくらいの固さの離乳食となります。

舌やあごを使うことに慣れてもらう、という考え方で行います。後期には噛むこと、手で食べ物をつかむことができるくらいのイメージで。歯ぐきでつぶせる固さの食べ物に慣れていきます。離乳食を完了し「幼児食」に移行する時期も、迷うところがあります。奥歯が生え、噛んで食べることに慣れてきたら離乳食を終える頃です。1歳6か月前後というのがめやすです。もちろん、この時期にも個人差があります

■「幼児食」で将来に向かって食の力、生きる力を付ける

 

栄養士

 

離乳食の後、大人と同様のものを食べるようになるまでの移行期の子どもが食べるのが「幼児食」です。5歳くらいまでの食事が幼児食といえます。心身の成長とともに食という意味でも大きく成長する時期です。ここでの食育は、子どもの将来、ひとりの人としての人生を決めるといってもいいかもしれません。栄養バランスが取れている食事で丈夫な体を作り、食べることに興味・関心を持ち、食を楽しむことを知り、大人になる過程において、そして大人になっても健全な食習慣を続ける。その基礎が幼児食の時期に作られます。幼児食でのよくある悩みは「好き嫌い」です。「食べてくれない」「同じものばかり食べる」といった子どももいます。好き嫌いには「慣れないものは少しずつ」の心構えで対応するといいでしょう。

大人が「おいしい」といって食べる様子を見せるのもいいですね。「うちの子は野菜を食べない」など、決めてしまわずに気長に取り組みましょう。あまり気にし過ぎないのも大事です。そうはいっても、お菓子やジュースばかり欲しがって、そのほかのものを拒否する、となると問題です。極端に栄養が偏って健康状態に問題が起こるおそれがあります。工夫しても偏りが激しいときには医師に相談することをお勧めします。

■食事は大切なもの、楽しく感謝の心を持って

幼児食の時期には「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶や、手を洗うこと、食器の持ち方、スプーン、フォークや箸の使い方など、学ぶこともあります。大人がお手本になり、しっかりと身に付けられるようにします。食材の切り方や見た目の綺麗さ、楽しさなどに工夫し、食べやすく楽しい食事にしてあげると、子どもは食に喜びを感じることができます。集中できなくて食事で遊んでしまったり、食べなくなったりという問題解決のためにも、楽しい食事は必要です。ご飯をたべられるのは素敵なこと、ありがとうの気持ちを大事に、ということも毎日の食事の中で自然に教えていけたらいいですね。

■保護者も学びながら食育

子どもに良い食を体験してほしい、健全な食習慣を身に付けてほしいあまり、保護者が偏った情報に頼ってしまうケースもあります。「絶対に自然素材や手作りでなければいけない」「〇〇は食べてはいけない」「〇〇を食べると頭が良くなる」など、食に「縛り」を設けてしまうと、保護者も子どもも苦しくなってしまうことがあります。子どもの食事は大切なものですが、栄養のバランスに気を付けて、生活リズムと食事のリズムが確立していれば「絶対にこうしないといけない」というほどのことはありません。偏った情報ではなくいろいろな情報を得て、保護者自身も食を選び、子どもと学びながら生活の中に「食育」がある、という形が家庭にあることで子どもも安心できるのではないでしょうか。

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