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もしかして…と思ったら。知っておきたい療育のこと

保育,療育
乳児診断などで子どもの発達が未熟だと言われ、不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。
今回は、その対応である「療育」について考えてみましょう。

療育とは、医療や治療、保育・教育をかけあわせて生まれた言葉で、言葉や身体機能などに遅れの傾向がある子どもたちを対象に、社会生活への不自由を減らすためのトレーニングを行うというものです。療育とはいったいどんなものなのか、実際にどういったトレーニングが行われているのかご紹介します。

 近年よく耳にする「子どもの発達障害」

発達が遅れているのかもしれない――もともと、乳幼児期の子どもたちの発達のスピードは個人差が大きいもの。ですが、なかなか言葉が出なかったり、同月齢の子と比べて落ち着きがなかったり、思うようにコミュニケーションを図ることができなかったり…と、言葉や行動の発達が遅れ気味な子を持つ保護者は「うちの子はなぜ他の子と違うんだろう」という不安を抱えていることが少なくありません。「ひょっとすると、うちの子には自閉傾向や発達障害があるのかもしれない」。そんなことが頭をよぎったことがあるという人もいるでしょう。

近年、さまざまなメディアでよく耳にするようになってきた子どもの発達障害。そもそも、発達障害とはいったいどんなものなのでしょうか。
「障害」と聞くと少し身構えてしまうかもしれませんが、一般的な人とはさまざまな物へのとらえ方、感じ方が異なる、いわば特性のようなもの。発達障害児は、一般的な人のなかで社会生活を送るために、適切な支援やサポートを必要としている子どもたちのことを指す言葉です。発達障害と診断されたからといって、かならずしも障害児として認定されるというわけではなく、支援の必要性の程度によって認定されるかどうかが決まります。

精神的、身体的に発達に遅れがあり、周囲と歩調を合わせて生きるのが難しい。そんな子が、生活を送るのに不自由しないよう、取り組む活動が「療育」と呼ばれるものです。

療育の目的は「障害を持つ子どもたちの社会的な自立支援」

療育とは、心や体に障害を抱える子どもたちの個性に寄り添い、一人ひとりの特性に合わせた医療や訓練、教育をとおして、自立して生活できるよう支援をしていくこと。
もともとは、肢体が不自由な子どもに施すための教育といった意味合いがありましたが、近年では、発達障害や自閉症といった心に特性を抱える子どもたちに対して行われる自立支援活動にも、療育という言葉が使われるようになってきています。

療育は地域の「療育センター」で行われる

 

療育

 

療育は、療育センターや障害児支援センターといわれる場所で受けることができます。療育センターには医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語療法士、臨床心理士といったさまざまなジャンルのプロフェッショナルが働いており、多角的な視点をもって、子どもたち一人ひとりに寄り添っています。

療育って何をするの?

では、療育では具体的にどのようなことが行われるのでしょうか。療育現場の専門家は、家族や保育園・幼稚園の先生などから、普段の様子についてヒアリングを行います。そのうえで、その子がどうすれば生活に不自由なく生きていけるか考え、適切な教育プログラムを組んでいきます。
たとえば、手先や指先を使うことが苦手で、シャツの袖に腕を通したり、ボタンをかけたり…といったことが難しい子。やろうとしていることがうまくできない状況というのは子どもにとっても、ジレンマを抱えてしまう原因になります。その子の様子を観察してみると、どうやら体を動かすイメージがうまくつかめていないことが、ひとつの原因であるように見受けられました。そこで、療育では、体を動かすトレーニングを盛り込んだプログラムを設定。輪をくぐる、またぐといった運動や、指先をつかってつかむ練習を行うことで、着替えるときに必要な動きがスムーズになるよう支援を行いました。
とはいえ、これはあくまでひとつの例。子どもによって特性は異なりますから、その子にぴったり合ったプログラムが組まれます。

年齢ではなく、発達の段階でクラスを設定

療育センターでは、学級単位で活動が行われるのが一般的です。とはいえ、保育園や幼稚園のように年齢・学年だけでクラス分けをするのではなく、発達の段階に合わせて細かくクラス分けがされるのが特徴です。また通園のスタイルはセンターによって異なり、保育園や幼稚園に通うように毎日通うタイプのところもあれば、スクールのように、幼稚園や保育園に通いながら、決められた頻度で通うところもあります。

療育センターにはどうやって通う?

もしも「療育が必要なのかもしれない」と感じたら、いったいどのようにはじめればいいのでしょうか。発達の遅れの場合、自治体などが行っている定期乳児健診などで見つかり、所見がつくことが多く、その際に必要に応じて、発達相談へ進み、療育がはじまる…といったケースが多いようです。療育センターに直接問い合わせて、審査を受ける…というルートもありますが、発達相談の予約が混みあっていて何か月待ち…というセンターも少なくないのが実情です。発達に気になる点がある場合は、まず地域や小児科などが実施している発達相談を訪れることをおすすめします。

療育は早期スタートが大事

ひとくちに療育といっても、その分野や内容は多岐にわたります。障害の内容だって、ADHD(注意欠陥多動性障害)やアスペルガー症候群、自閉症…と、実にさまざまです。そのなかでも、一人ひとり、得意なことや不得意なことが異なります。
療育では、できるだけ早い段階でその子の障害の傾向を把握し、生活を送るうえで必要なトレーニングをおこなうことが大切です。周囲が状況を把握し、早期から適切な治療と教育を受けることができれば、周囲に適応できるよう、より効果的にアプローチできると考えられています。できれば未就学児のうちからスタートするのが理想ですから、保育園や幼稚園の先生とも連携し、お子さんの生活や困っていることがないかどうか、しっかりとチェックしておきたいですね。

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