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保育士の残業は週4時間だけ!?こんな数字がまかり通っているのは何故?

厚生労働省がだしたデータでは保育士の残業時間は4時間となっています。これは、現職の保育士の仕事をしっているひとからはびっくりでしょう。では、何故このようなことになっているのでしょうか。

保育士の残業時間は週4時間だけ

皆さんはこんな数字が存在することを知っていましたか?世間一般的な、保育士の長時間労働というイメージからはちょっと意外に思えるかもしれません。これは厚生労働省が発表したれっきとした数字です。しかし、平成26年「東京都保育士実態調査」によると、全体の約2割が保育士を辞めたいと答え、その理由として「給料が安い」に続く2位として挙げられたのが「仕事量が多い」でした。

この明らかな実態からの乖離は、保育士が抱える残業の多くが、賃金の支払われない残業、いわゆる「サービス残業」となっているからです。保育業界では「子どもを預かる時間」が「保育士の仕事の時間」と考える風習が残っており、それ以外の雑務は勤務外とみなされることが多々あります。しかし近年いわゆる「モンスターペアレンツ」と呼ばれる保護者からのクレーム処理など保育士の雑務は増加傾向にあります。

これらの状況が保育士の高い離職率につながっています。厚生労働省が発表した数字によると保育士の離職率は10.2%。経験2年未満の若い保育士の割合が高く私立では17.9%となっています。現在保育所で働く保育士の数は約40万人いますが、資格を持ちながら保育士としては働いていない「潜在保育士」と呼ばれる人は70万人以上といわれています。これらの要因が慢性的な保育士不足を引き起こし、その結果として一人一人の保育士のかかる負担がより大きくなる。これが今の保育業界の現状です。

しかし、最近では保育士の劣悪な労働環境が世間にも知られるようになり、また待機児童の問題もあって保育士不足の解消は喫緊の課題となっています。ここではいくつか国、そして保育園側が保育士の労働環境を改善するためにどのような対策を行っているか紹介していきます。

国の対策

国としても昨今の待機児童問題に関する世間の関心の高まりを受けて、保育士の処遇改善に動き出しています。

厚生労働省としては、特に待遇が悪いとされている私立保育園で働く保育士の給与を平均5%改善することを目指して、これまで交付していた保育所運営費とは別に民間施設給与等改善費を上乗せして交付するなどの政策を行っています。すでに平成26年度の公務員給与見直しに合わせて保育士の給与は2%改善されており、少しずつではありますがいい方向に向かっているといえるでしょう。

さらに、重労働の原因となっている人手不足に関してもいろいろな政策が行われています。保育施設で働きながら、保育士資格の取得を目指す人たちを対象に資格取得のための通信制保育士養成施設の受講料の半分と、保育施設にその人の受講に伴い代わりの人を雇うための費用を助成する、など新しく資格を取得する人を増やす一方で、幼稚園教諭免許状保持者などすでに幼児教育現場の経験がある人の保育士資格取得を金銭的に援助したり、以前保育士として働いていた人たちの再就職を支援したりとあらゆる方向から保育士の絶対数を確保するための政策を行っています。

保育園の対策

Children room with toys and small bed

保育所側もただ今の現状を放っているだけではありません。保育士不足は保育所にとっても死活問題となるため、より良い人材の確保のため残業時間少な目や、福利厚生を売りにして、保育士の募集をしている園が多々見受けられます。
週休二日制にしたり、月の残業時間を10時間以下に抑えたりなどと仕事とプライベートのバランスを大切にする傾向が強まっていることはいいことです。さらに、女性の多い業界だけあって、出産・育児休暇の充実も図られています。

ただ注意してほしいのが、募集で週休二日制とうたわれていても必ず土日が休みになるというわけではないということです。多くの保育園は土曜日も開園しています。週末出勤をする代わりに平日を休みにすることで週休二日制として回しているということころがほとんどでしょう。

最後に

保育所という場所は保護者が仕事に出ている間子どもを預かるという場所です。つまり、単純計算すれば保育士の労働時間は保護者のそれよりも長くなってしまうということになります。それをシフトを組むことによって一人ひとりの負担を軽くしているというのが現状です。しかし、最近の保育士不足の影響で一人の保育士にかかる負担があまりにも重くなってしまった。それが、今の保育士の労働環境につながっているといえます。

それでも、少子化が叫ばれる今において待機児童問題は避けては通れない問題です。国も民間もこれから考えられるいろいろな方法を通して、保育士の数の確保を図ると考えられます。
今日明日、すぐに状況が奇跡的に改善されるものではありませんが、現状は確実にいい方向に向かっているといえるでしょう。

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