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レッジョ・エミリア・アプローチは「世界で最も前衛的な」幼児教育

レッジョ・エミリアアプローチ
「世界で最も前衛的」「先進的な幼児教育」などと評価され、近年とくに日本国内でも注目を浴びているのが「レッジョ・エミリア・アプローチ」。でも、モンテッソーリやヨコミネ式ほど実際に紹介はされていないので実態はどのようなものかわからない人も多いのではないでしょうか。

未来の教育の見本と称される「レッジョ・エミリア・アプローチ」とは

「世界で最も前衛的」「先進的な幼児教育」などと評価され、近年、日本国内でも注目を浴びているのが「レッジョ・エミリア・アプローチ」です。

レッジョ・エミリアとはイタリア北部にある、人口16万人前後の都市の名前です。

レッジョ・エミリア・アプローチは第二次大戦後、レッジョ・エミリア市で独自の教育システムが生まれ、発展しました。

子どもの感性や可能性を最大限に引き出す、ユニークな幼児教育法「レッジョ・エミリア・アプローチ」。一体、なぜ「先進的」と評され、世界トップ企業の付属幼稚園でも導入されるのか、その魅力を解説します。

世界的な教育都市になったレッジョ・エミリア市

まずはレッジョ・エミリア・アプローチが生まれたレッジョ・エミリア市について知っておきましょう。

独自の教育システム「レッジョ・エミリア・アプローチ」が生まれた背景は、もともとレッジョ・エミリア市が教育に力を入れる風潮があったためだと言われています。

レッジョ・エミリア市では、第二次大戦後、農民や労働者が戦車や軍事用の車両をスクラップにして売り、資金を作っていました。その資金をもとに、イタリア初の公立幼稚園が作られ、子どもの教育に力を注ぐことの重要性を市全体で認識し、変化していきました。

今でもレッジョ・エミリア市の名声があるのには2つの理由があります。1つは、子どもの教育に力を入れる風潮が現在まで長く受け継がれていること。もう1つは、その教育法を世界で賞賛される水準に引き上げた「立役者」というべき人の存在があるからです。

その立役者がローリス・マラグッツィです。子供はすべて違う個性を持ち、出来ないものではなく出来る事に目を向けて才能を伸ばしていくべきと考えた、ローリス・マラグッツィは幼児教育の改革を推進に携わり、レッジョ・エミリア・アプローチの様式を確立し、特徴的な教育環境や教育に関わる人達の連帯のシステムを築き上げました。

美術を通して自己表現力を磨く!「レッジョ・エミリア・アプローチ」の特徴

レッジョ・エミリア

では、ここからレッジョ・エミリア・アプローチでどのようなことが重視されているのかなど、特徴を見ていきましょう。

~創造力を磨き、自己表現力を高める~

レッジョ・エミリア・アプローチにおいて、最も重点が置かれているのは「美術」です。

計算や読み書きよりも、子どもたちが自分で感じたことや考えたことを自由な発想で自由に表現する。そのための創造力を磨き、自己表現力を高める。これらが重視されています。

例えば、先生たちが「線」をテーマとして与えると、「線って何?」「どうやって作るの?」「どこにあるの?」と、子どもたちに考えさせ、線を探させます。壁、床、机、窓など、あらゆるところに線があり、まっすぐだったり、カーブしていたりと、色や種類が豊富なことにも気づきます。そして、子どもたちは自分なりの「線」を表現します。

このようにして、身の回りにたくさんの学びの材料が溢れていることに気づく力、そしてそれらを主体的に発見する力、伝える力、表現する力が身についていくのです。

~子どもから可能性を奪わない「レッジョ・エミリア・アプローチ」~

レッジョ・エミリアの幼児教育の理念を表すものとして、マラグッツィの言葉(詩)がいくつか伝えられていますが、その中で最も有名なのは『子どもたちの100の言葉(日東書院より ローリス・マラグッツィ 田辺敦子訳)』でしょう。

この本の中では、子ども一人一人の個性や主体性を尊重することが語られています。子どもから可能性を奪わない方法をシステム化したのが「レッジョ・エミリア・アプローチ」だとして、子どもたちの自由な表現を促し、創造力を伸ばすことに重きを置いています。

~「レッジョ・エミリア・アプローチ」のキーワードは「連携」「連帯」~

「レッジョ・エミリア・アプローチ」は0歳から2歳の「乳児保育所」と、3歳から6歳の「幼児学校」で用いられます。そして、各施設に「ぺダゴジスタ(教育主事)」と「アトリエリスタ(芸術教師)」が配置されます。

ペダゴジスタの役割は教育的な実践のほか、教師と親の連携をはかることです。アトリエリスタは、芸術を通じて教師と子どもの創造的活動を支援します。

「レッジョ・エミリア・アプローチ」の実践で重要キーワードは「連携」「連帯」です。子どもと教師(保育者)、保護者、そして市民が、子ども達の教育のために協力し合うシステムではんくてはなりません。子ども達にも「共同で」何かを実行することが学びとして伝わり、協調性や社会性の発達にもつながるのです。

~「レッジョ・エミリア・アプローチ」の創造性を育む独特な空間設計~

「レッジョ・エミリア・アプローチ」が実践されている幼児教育施設では、その空間にも独自の構成があります。施設の中心には「ピアッツァ(広場)」というオープンスペースと食堂があります。ピアッツァから、各教室、そして各「アトリエ(創造的活動の場)」へ空間が連続するつくりになっています。

ピアッツァはみんなで交流する空間で、アトリエは表現活動をする空間です。各教室には、目的の異なる2つの「ミニ・アトリエ」があるなど、学習環境が子どもにとって「表現をしやすい」ように整えられています。

アトリエや教室には「素材のパレット」という、表現のための材料が用意されています。その数は数百種に及びます。木の葉、実、枝、動物の骨、貝殻、砂などの自然のもの、金属、電気製品等の部品といった廃物再利用の人工物、さらには画材等が、子どものために準備されています。子どもは、あらゆるものを使い、自分の感性で、自由に表現することができるのです。

~子供だけの活動「プロジェクタツィオーネ」~

「レッジョ・エミリア・アプローチ」が実践される幼児教育施設で行われる取り組みとして中心となるのは「プロジェクタツィオーネ(プロジェクト活動)」です。

「プロジェクタツィオーネ(プロジェクト活動)」は少人数グループでの長期的な活動で、教師や保育者は指導をしません。子ども達自身がテーマにそって話し合い、計画し、作り出し、表現し、何かを成し遂げます。

保育者や教師は子ども達に寄り添い、会話をしながら、子ども達と一緒に体験をしていきます。それだけではなく、協力者として保護者、専門職の人々や地域の人々も加わることがあります。この活動の中のコミュニケーションによって、子どもは思考力や言葉その他の表現力も大きく伸ばしていくことが可能です。

~「レッジョ・エミリア・アプローチ」では子ども達の活動を記録し共有する~

「レッジョ・エミリア・アプローチ」において、子ども達がプロジェクタツィオーネで取り組んだことなど、日々の活動は「ドキュメンテーション」という形で記録されます。特徴としては、最終的に完成したものだけではなく、その過程、話し合いや経験を記録していく点です。子ども達が自分の活動を振り返るだけでなく、保育者や教師の研究資料ともなり、さらには保護者や地域の人々に子ども達の活動を伝える資料にもなります。記録されたものがコミュニケーションの手段としても大きな役割を担っているのです。

 

~「レッジョ・エミリア・アプローチ」では関係はみんな対等~

「レッジョ・エミリア・アプローチ」の根底には、子どもの個性や各自の意志を尊重する精神があります。保育者や教師が「一方的に子どもを指導する」という考え方や教育法は組み込まれていません。子ども自身と保育者や教師、保護者、そして地域の人々(市民)が対等に創造性を発揮し、学び合う形が確立されています。

豊かな表現ができるようになる、さまざまな能力を多角的に伸ばすことができるという成果は、この徹底された理念に基づいて実験された結果であり、それこそが先進的な教育、未来の教育の見本となる、として世界中から評価されることに繋がっているのでしょう。

実は近年、「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れる幼稚園・保育園などが日本でも増加傾向にあり、今後も、さらなる広がりが期待されています。子どもとともに学ぶ保育、子どもに寄り添う保育を目指す保育者には、非常に学ぶ価値のある幼児教育法ですので、ぜひ引き続き注目していきましょう。

アメリカの有名雑誌でも掲載された「レッジョ・エミリア・アプローチ」

レッジョ・エミリア・アプローチが子どもの教育に関わる多くの人に驚きや感動を与えるのはなぜなのでしょうか。その理由は、子ども達によるアートを通した創造的な表現と、そこから発展する知性や社会性の発達という教育的効果の高さが評価されるためです。

その実践と成果が世界中に知られるようになったのは、有名雑誌で紹介されたことがきっかけです。もともと、独自の教育システムを発展させてきたレッジョ・エミリア市ですが、その幼児学校の1つを、1991年12月にアメリカのニューズウィーク誌が「世界で最も前衛的」な学校、といった形で紹介したのです。

1980年代から世界数十か国でレッジョ・エミリア市の教育法が展示企画などにより紹介されてきたこと、そして、ニューズウィーク誌での掲載により、世界で注目され、多くの教育者達の関心を集めるようになりました。

 グーグルで働く賢い親たちが導入を強く希望した「レッジョ・エミリア・アプローチ」

ニューズウィーク誌での掲載をきっかけに関心を集めた結果、「レッジョ・エミリア・アプローチ」はアメリカのグーグルやディズニーの附属幼稚園でも導入されるようになりました。

グーグルやディズニーで働く親たちが、「ぜひ我が子にレッジョ・エミリア・アプローチを受けさせたい」と強く希望し、それに柔軟に対応したそうです。

グーグルやディズニーでは、創造力が要求される仕事も多いため、我が子にもレッジョ・エミリア・アプローチを通して創造力を身につけてほしいという気持ちの表れだと言えますね。

「モンテッソーリ教育」と「レッジョ・エミリア・アプローチ」の違い

Facebook創設者マーク・ザッカーバーグやAmazon.comの創立者ジェフ・ベゾスが受けていた教育法として有名なモンテッソーリ教育ですが、レッジョ・エミリア・アプローチと似ているとしてよく比較されます。

共通点としては、どちらもイタリアから始まった教育法で、子供が学ぶ環境は比較的静かで空間が広々としていることでしょう。

モンテッソーリ教育では「自立した子どもを育てる」という点に重きを置いているので「与えられた事をする」のではなく、自分でする事を決めて行動したり考えたりするので自発性が身につきます。

レッジョ・エミリア・アプローチでは、子ども達がひとりひとりの個性を大切に活かし、自分たちの好奇心に従って、様々な手段と方法で学ぶことを重視しています。

そのため、どちらの教育法においても、黙々とひとりで作業する子も多く、幼稚園や保育所にしては比較的静かな印象を受けます。

一方で異なる点としては、モンテッソーリ教育は縦割りで年齢の異なる子どもたちが一緒に学ぶ環境を作り、「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「算数教育」「文化教育」など、カリキュラムが決められ、学ぶ内容が体系づけられています。

それに対して、レッジョ・エミリア・アプローチでは、モンテッソーリ教育ほど細かく決められたルールを設けず、先生と子どもが一緒にカリキュラムを作っていく傾向が強く、常に子どもの好奇心や興味の方向で、カリキュラムが変更されていくのが特徴です。

レッジョ・エミリア・アプローチのほうが、より「子どもたちが自分のペースで学びを進める」ことに重きを置いていると言えるでしょう。

東京チルドレンズガーテンはすでにレッジョ・エミリア・アプローチを導入

東京都品川区にレッジョ・エミリア・アプローチを導入している幼稚園があります。

東京チルドレンズガーテンでは、2~6歳の子どもを対象に、レッジョ・エミリア。アプローチをコアにしたカリキュラムを提供しています。

2017年4月に開校したばかりで、幼稚園の運営など幼児教育に携わってきた伊原尚郎氏と名門キンダーで副園長を長年務めてきた西ケ谷アン氏が、究極のレッジョ・エミリア教育を実施するために開校しました。

子供はすべて違う個性を持ち、出来ないものではなく出来る事に目を向けて才能を伸ばしていくべきと考えたローリス・マラグッツィの理念を忠実に捉え、定員を18名として、少人数で密度の高い丁寧な教育法の提供を行っています

東京チルドレンズガーテンの詳細はコチラ(英語)

http://www.tokyochildrensgarden.com/

まとめ

今回は「レッジョ・エミリア・アプローチ」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

グーグルやディズニーで取り入れられていることもあり、今後、東京チルドレンズガーテンのように日本でも導入する幼稚園や保育園が増えていくことでしょう。

今後の広がりに注目していきましょう。

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