実践する園が急増中。「コーナー保育」ってどんなもの?

最近、「コーナー保育」に取り組む保育園や幼稚園が増加しています。これまでの一斉保育では育ちにくいとされてきた協調性や創造性が育める新しい保育システムとして関心が高まっています。今回は「コーナー保育」にスポットをあててみました。

目次

  1. 【1】コーナー保育は新しい保育分類

  2. 【2】コーナー保育とは?

    1. 1.コーナー保育の目的

    2. 2.コーナー保育の進め方

    3. 3.コーナー保育のメリットは?

    4. 4.コーナー保育のデメリットは?

  3. 【3】コーナー保育のこれから

コーナー保育は新しい保育分類

これまでの保育内容の分類は「一斉保育」と「自由保育」でした。ところが近年、「自由保育」の考え方がかなり浸透し、「コーナー保育」という新しいカタチの保育システムが現われました。

コーナー保育を積極的に取り入れる保育園や幼稚園が増加している今、保護者が保育園、幼稚園選びをする際もコーナー保育を実施しているか否かが重要視されるようになってきています。

  • 一斉保育
    クラス全員で一緒に活動。一斉に先生の話を聞いたり、歌を歌ったりします。
    集中力、忍耐力が育ちます。
  • 自由保育
    各自、ひとりひとりで活動。自分で好きな遊びを見つけ、好きなことを自由にします。
    自主性、自制心、思いやり、創造性が育ちます。
  • コーナー保育
    ひとり~数人の単位で活動。子ども自らが“遊びの環境”を選び、自由な方法で遊びます。
    自主性、創造性、協調性が育ちます。

コーナー保育とは?

さまざまな遊びの内容のブースを設け、子ども自らがそれを選択し遊ぶ方式を「コーナー保育」といいます。

多種多様な活動を提供するため、絵本コーナーやブロックコーナー、お絵かきコーナー、ままごとコーナー…など、複数のコーナーを設けるのが基本です。保育園によっては、寝るコーナーや調理体験コーナーといった特徴的なコーナーを作っているところもあります。いずれも、子どもひとりひとりのいきいきとした活動を支える工夫がされているのが特徴です。

コーナーは家具や棚などで仕切りを作ることで 「自分たちの空間」を意識させ、安心感を得られるようにしています。仕切りがあることで、集中力を高める効果があるといわれています。

コーナー保育の目的

「コーナー保育」のねらいは、子ども自身が遊びの環境を選択し、遊び方を自分で見つけ、自由に行動するというところにあります。

自ら選んだ遊びに取り組むことで、自主性や独創性、創造性を伸ばし、物事に集中して取り組む力を身につけていきます。また、同じ遊びを選んだ友達と物の貸し借りをすることで、コミュニケーション能力も育まれるというメリットがあります。

コーナー保育の進め方

注目が集まるコーナー保育ですが、保育園や幼稚園は季節ごとの行事が多く、コーナー保育ばかりを行うわけにはいきません。子どもたちにとっては、集団でからだを動かしたり、歌をうたったり…といった一斉保育の時間も大切なものだからです。

コーナー保育を取り入れている保育園や幼稚園は増えているものの、コーナー保育にあてられる時間は、園によって差があります。一斉保育の時間を確保しながら、バランスよくコーナー保育の要素を取り入れることが大切です。

続いて、コーナー保育を取り入れている園の事例を紹介します。

  1. 登園後、「受付コーナー」にまず進みます
  2. 「着脱コーナー」を通って登園の手続きと着替えを済ませます
  3. 「遊びのコーナー」を選択し午前10時までは「コーナー保育」でみっちり遊びます
  4. お昼になると「食べるコーナー」が設けられており、バイキング形式で昼食をとります

このように、一日のスケジュールのなかに「コーナー保育」を組み込むことで、子どもたちは遊び感覚で集団生活を学ぶことができます。「コーナー保育」は楽しく学べる保育システムなのです。

コーナー保育のメリットは?

コーナー保育のメリットは、みんなが同じことをする「一斉保育」ではなかなか育ちにくいとされている創造性や自主性を育めるという点にあります。コーナー保育では、自分の興味のある遊びに没頭し、時間を費やすことができます。

コーナーの中は、ひとつの社会です。同じ興味を持つ者同士で遊ぶことで仲を深めていき、そこにルールが生まれます。小さな決まりごとを守って、お互いに譲り合いながら遊ぶので、自然と協調性を身につけていくことができるのです。

また、遊びそのものも自分で考えて動くので、主体性や行動力も身につきます。コーナー保育は子どもの持つ個性や能力を目覚めさせ、開花させることにつながる保育システムなのです。

コミュニケーション能力の向上にも

コーナー保育は、一斉保育に比べて子ども同士が接点を持つ時間が長くなります。ケンカやおもちゃの取り合いなど、子ども同士の衝突の機会は増えるものの、そういった衝突は学びの機会でもあります。

コーナー保育の運用では、保育士はむやみに介入しようとせず、子ども同士で話し合って考えさせるようにします。自分たちの力で解決策見つけることで、コミュニケーション能力を磨くことにつながるのです。

いろんなタイプの子どもに対応できる

子どもの性格は十人十色。当たり前のことではありますが、保育の場には、さまざまな性格の子どもが集まります。

「コーナー保育」では、なかなか自分の遊びを見つけられず、どのコーナーにも行けないままとまどってしまう子もいます。保育士は、すべての子が自分のやりたい遊びを見つけられるよう、選ぶ力を身につけるためのサポートを行っていく必要があります。

また、異年齢の子どもたちがひとつのコーナーに集まることで、ケンカが起こってしまうこともあるものです。子ども同士のトラブルが起こってしまったとき、保育士は、子どもたちの思いに耳を傾け、子ども同士で話し合いを持てるように導いていきます。常に子どもたちの様子を観察し、子ども同士の関わり方などに注意を払うのが、コーナー保育を行ううえでの保育士の重要な仕事となります。

このように「コーナー保育」は自主性を重んじ、自立心を養うことができる保育方法です。

コーナー保育のデメリットは?

コーナー保育のデメリットは、コーナーで区切り、ブースを設けることで「この遊びはこういうものだ」という固定観念が植え付けられてしまうことがデメリットといえます。

区切られた空間では無意識のうちにはみ出ないようにしてしまいがち。遊びの発展の芽を摘むことになりかねないのが懸念点です。

また、コーナー保育の自由な発想や行動に慣れてしまうことで「小学校に上がったときに45分間の授業でじっと座っていられなくなるのでは…」と心配する声も上がっています。

コーナー保育のこれから

自主性を育み、コーナーという小さなコミュニティのなかで協調性を育んでいけるといわれているコーナー保育。子どもたちが自主性を身につけることの重要さに着目されている昨今、今後はますます「コーナー保育」の要素を取り入れたカリキュラムを組む園が増えていくのではないでしょうか。

「コーナー保育」は子ども自らが遊び環境を選択し、自由な方法で遊び、それを自由に表現するというプロセスを重視しており、子ども自身が自らの個性と能力と責任に目覚め、生き抜く力を育んでいくことを可能にする保育システムです。

「コーナー保育」の導入にあたっては、保育従事者が「コーナー保育」の理念をよく理解し、実践することを心がけていくことが大切です。

保育ぷらす

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