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義務教育は5歳から!?イギリスの教育について

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イギリスの義務教育は日本よりも早い5歳から始まります。そして、義務教育前に受ける全国統一試験で分けられるグレードが大学進学だけでなく就職にも影響してくるため、ある意味イギリスの教育は日本よりもシビアであると言えるかもしれません。

義務教育前から入学のための準備?

イギリスの教育、と一口に言ってもイギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランドおよび北アイルランドで構成されています。そこで今回は、主にイングランドにおける教育についてご説明します。

イングランドでは、義務教育が始まるのは日本よりも2年ほど早い5歳。それだけでも驚きなのですが、5歳になる前にも3歳から日本における幼稚園にあたるプリスクールなどの就学前教育も非常に充実しています。

プリスクールは、日本における幼稚園と同じような役割を持っており、幼児教育施設を指す名称として使われています。プリスクール(pre-school)という名前の通り、就学前の子どもを教育することを目的とした施設となっています。また、プリスクールには公立と私立があるため、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

公立プリスクール

公立のプリスクールは、「スクール・ナーサリー」や「ステイト・ナーサリー」とも呼ばれています。これは、公立の小学校に付属している義務教育前の幼稚園生の前のクラスとなっています。

通える年齢は満3歳からで、入学する1年以上前の決まった時期に居住区を通して申し込みをする必要があります。公立の場合は無料で通うことができるため非常に人気があり、人気のプリスクールに入園させたい場合は出産後すぐや妊娠中に幼稚園に登録するお母さんもいるそうです。

プリスクールでは、満3歳から通うことのできるナーサリー・クラス満4歳の9月から通うレセプション・クラスという2つの学年に分かれています。

園で過ごす時間は週15時間。この15時間分の教育費用は国から出されるため無償となっています。週のいつ通うかなどは幼稚園によって異なっており、月~金の午前のみもしくは午後のみの場合もあれば、1日5時間を週に3回といった通い方があります。

また、レセプション・クラスは義務教育の始まる小学1年生(Year1)の準備クラスとなっており、義務教育ではないものの、実質的には義務教育の一部に組み込まれているような仕組みになっています。多くの子どもはこの時点から入学をします。

ほぼすべての学校に定員があるため必ずしも自分の希望するレセプション・クラスに入ることができるわけではありません。公立の場合は、ナーサリー・スクールに入ることができている場合でも改めてレセプション・クラスへの入学時に申し込みをする必要があります。ナーサリー・スクールの時と同じように居住区を通して入学の1年ほど前に申し込みをするようにします。

私立プリスクール

私立のプリスクールは、「プライベート・ナーサリー」や「インディペンデント・ナーサリー」とも呼ばれています。

入学することのできる年齢は公立とは異なり、幼稚園によっては様々ですが満2歳ごろから通えるところが多くなっています。

入園の時期は各自が幼稚園と相談して決めるため、日本の入園式のようなものはありません。私立プリスクールの特徴として、様々な教育方針のところがあるというものが挙げられます。日本語幼稚園や、小さい頃から受験を目指した教育を行う幼稚園なども私立プリスクールに含まれています。

公立プリスクールの場合、幼稚園費用は無料となっていますが、私立プリスクールは無料ではありません。しかし、私立プリスクールの場合は、週15時間通園相当の金額が園ごとに計算されて割引される仕組みとなっています。

レセプション・スクールに関しては、その申し込み方法や選考基準が公立とは異なっています。そのため、私立の場合は直接学校へ申し込み方法を確認する必要があります。

日本よりも長い11年の義務教育

日本において、義務教育は6歳から15歳までの9年間となっています。一方イギリスでは義務教育は5歳から16歳までの11年間と、日本より2年も義務教育の期間が長くなっています。また、日本では学期の始まりが4月なのに対し、イギリスでは9月からとなっています。始業式や終業式も特にないため、日本からイギリスに移住した方などは驚く場合が多いようです。

11年間の義務教育の中で、5~11歳が初等教育(公立の場合はプライマリー・スクール、私立の場合はプリプレパラトリースクール・プレパラトリースクールと呼ばれる)、11~16歳が中等教育(公立の場合はセカンダリースクール、私立の場合はシニアスクール)に分けられています。これは日本における小学校・中学校のような感じですね。

11年という長い義務教育期間ですが、その中でも小中学校の教育課程の基準であるナショナル・カリキュラムと呼ばれる学習指導要綱に基づき2~3学年をひとまとめにした“キーステージ”ごとに必修科目(数学、英語、理科、歴史、地理、技術、情報技術、音楽、芸術、体育、現代外国語、市民教育の12科目)などのカリキュラムが決められています。1年毎に指導要綱がある日本とは異なり、より広い視点で評価ができるのではないでしょうか。キーステージの分け方は以下のようになっています。

 

・Key Stage 1( 5歳~7歳、Year 1~2)

・Key Stage 2(8歳~11歳、Year3~6)

・Key Stage 3(12歳~14歳、Year7~9)

・Key Stage 4(15歳~16歳、Year 10~11)

 

各学校においてこのステージごとに定められた要綱に沿って授業が進められていき、11歳と14歳の時にキーステージテストを受けます。

また、義務教育とはいっても必ずしも学校に通わなければいけないわけではなく、ナショナル・カリキュラムに基づいて授業を行うことができるのであれば家で勉強を教えても構いません。少数ではありますが、そのようなホーム・スクーリングの形をとる方もいます。

先ほど、キーステージについてご説明しましたが、ステージ4の最終学年、つまりYear11修了の年に、GCSE(General Certificate of Secondary Education 全国統一学力試験)を受験します。大学への進学だけでなく、就職をする際にもこの試験の成績が重要となってきます。成績評価はA~Gのグレードで評価され、大学進学希望者は、一般的に8~10科目を受験します。

イギリスの教育

日本の高校と同等の継続教育

義務教育であるYear11後の進路は、主に進学準備校と職業専門学校の2つに分かれます。義務教育以降の進学率は、イングランドにおいて88%程度となっています。約9割の方が義務教育を卒業後、進学をすることを選んでいるんですね。

大学への進学を希望している方は、日本における高校である6th Formと呼ばれる2年間の受験コースの最後に試験を受けます。

継続教育の最終試験=大学入試のようになっており、GCE(General Certificate of Education)と呼ばれています。GCEには、GCE-A(Advanced)レベル(上級)とGCE-AS(Advanced Supplementary)(準上級)の2種類があります。

選択科目をGCSEよりも少ない3~5科目に絞り、より専門的な勉強をしていきます。試験は論述形式で非常にレベルの高いものになっており、日本の大学における一般教養レベルであると言われています。日本でいう高校生の頃から専門的な学問を選択し、試験に向けて勉強していくことでより深い知識を身に着けることができそうですよね。評価はA~Eの5段階評価でEは不合格。大学入学には一般的に3科目においてA~Cの成績が要求されます。

大学を受験しない生徒は、ファーザー・エデュケーション・カレッジという機関で、職業に従事するための専門的な資格の勉強をしたり、アプレンティシップと呼ばれるインターンシップのような制度を利用して見習いとして働くという選択肢もあります。

 

 

大学は基本的に3年間

継続教育が終わると、高等教育と呼ばれる日本における大学で勉強をします。大部分の大学の学部は3年間で学士号を取得することができます。

イングランドでは、先ほどご説明したGCE-Aの試験を受験した後、18歳で大学に入学します。

イギリスには100近くの大学がありますが、それぞれ個別の入学試験などはありません。継続教育中にあらかじめ希望の大学に応募し、GCE-Aで必要な成績が取れた場合に入学が許可されるという仕組みになっています。成績が足りていなかった場合は、そこで第2希望・第3希望の大学に進学するか再検討することになります。

学部を卒業したら学士を取得することができますが、その際に取得した成績はその後の就職や進学の際にかなり重要視されることになります。日本の場合、大学は入学が難しく、卒業は比較的簡単にできると言われていますが、イギリスの場合だと卒業時の成績が重要なため中々シビアですよね。

学士取得後は、修士号や博士号を取得するコースに進む方や、そのまま就職をする方がほとんどです。通常、修士は1〜2年、博士は3年からとなっています。

イギリスの場合、一度社会人経験を経てから大学や大学院に入学する方も多く、その点も日本とは少し異なります。

まとめ

小学校入学前から大学までのイギリスの教育についてご説明しましたがいかがでしたか?日本と異なる点が多くあり、少し難しく感じた方もいらっしゃるかもしれません。

イギリスでは義務教育の時に数回試験があり、負担は大きい分、その試験が今後に大きく関わっていることもあり子どもたちも真面目に勉強に取り組んでいます。義務教育の時にほぼ将来が決まってしまうと聞くと少し厳しいように思えるかもしれませんが、子どもの頃より自分が将来何をしたいのかを真剣に考え、専門的に取り組んでいくことができるという点においてはとても素敵な教育制度ですよね。

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