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赤ちゃんが見せる”原始反射”ってどんなもの?

原始反射
赤ちゃんが生まれてすぐ、赤ちゃんの手を指で触ると握り返された経験がある方はいますか?それは“原始反射”と呼ばれるものの一つで、赤ちゃんがお腹の中にいる時から持っている生き残る手助けになる反射反応です。

原始反射って?

原始反射とは、赤ちゃんがお母さんのお腹の外の環境に適応して生きていくために必要な機能で、無意識に出る赤ちゃんの反応や姿勢のことを指しています。基本的にはすべての新生児に見られ、中枢神経系の発達、成熟の評価にも用いられています。

原始反射の働きとしては大きく2つあり、1つ目は生き残るための働き、2つ目は赤ちゃんが適切に安全に成長するのを助けるというものです。

原始反射の出かたには個人差があり、反射が強く出る赤ちゃんもいれば、出ているのか出ていないのかよく分からないという赤ちゃんもいます。そのため、注意深く観察することが重要です。

原始反射はいつから起こるの?

原始反射は、健常な赤ちゃんの場合、お母さんの胎内にいる頃に出現して、生まれたての頃から機能し、中脳や大脳皮質など高次の脳が成熟するにつれて消失すると言われています。平均的な赤ちゃんだと3~4か月ごろに消失する反射も見られてきます。中には1~2歳まで続く原始反射もあります。

反射を観察することで赤ちゃんの発育の程度なども見ることができますが、先ほども言ったように赤ちゃんによって程度だけでなく発現や消失の時期にも個人差があります。そのため、反射が無くなる時期や現れる時期が少し速かったり遅かったりしても、あまり神経質になりすぎる必要はありません。

原始反射

原始反射にはどんな種類がある?

原始反射にはとても多くの種類があります。今回は、その中でも特に代表的な原始反射について詳しくご説明します。

 

手掌把握反射(出現:出生時 消失:3~4か月)

手掌把握反射とは、指などで赤ちゃんの手の平を触ると、指を赤ちゃんがぎゅっと握り返してくる原始反射です。この反射は、細長いものを使って赤ちゃんの手の平の小指側から刺激すると起こりやすいです。

この反射が消失した後、物を掴めるようになります。

一方、手掌把握反射が見られない場合、脳の障害や上部脊椎に異常が見られる可能性があります。この原始反射は、1か月と3か月の健診の確認項目の中に入っているので、不安に思うことがあれば相談してみましょう。

足底把握反射(出現:出生時 消失:9~10か月)

足底把握反射とは、赤ちゃんの足の裏の親指の付け根にあるふくらみを検査する人の親指で圧迫すると、全ての足の指が内側に曲がる原始反射です。

この反射が消失した後、すぐにではありませんが立って歩くことができるようになります。

手掌把握反射とは消失の時期が違うので注意が必要です、

非対称性緊張性頸反射(出現:出生時 消失:3~4か月)

非対称性緊張性頸反射とは、赤ちゃんをあおむけに寝かせた状態で赤ちゃんの首を左右の一方に曲げると、顔が向いている側の手足が伸び、反対側の手足が曲がる原始反射です。

その姿勢は、「フェンシングをしているような姿勢」とも言われています。

この反射は赤ちゃんの自発的な動きの中で観察できるようになっているので気を付けて見てみましょう。

この反射が消失した後、寝返りがうてるようになります。

モロー反射(出現:出生時 消失:3~4か月)

モロー反射は、上を向いて寝かせた子どもの後頭部に手をあて、30度ほど頭を持ち上げた後に頭を落下させると、両方の腕が伸びて外側に開き、腕が内側に縮まるような動きが見られるという原始反射です。モロー反射という名前は、オーストリアの小児科医エルンスト・モローがこの反射を発見したことから名づけられました。

この反射は、外部からの刺激に対し、しがみつくように危険を知らせ、守ってもらおうという本能的な動きです。日常場面では、生活音に反応したり、ベッドに寝かせようとした時などにも似たような反応が見られますが、モロー反射とは区別されています。

モロー反射が4か月を過ぎても持続する場合、運動発達を疑うことがあるので、いつまで経ってもこの原始反射が消えない場合は医師や保健師に相談しましょう。

探索(ルーティング)反射(出現:出生時 消失:4~6か月)

探索反射とは、赤ちゃんを仰向けに寝かせて検査をする人の指で唇の上下・左右に触れると、触れた指を口でとらえようとする原始反射のことをいいます。

これは、赤ちゃんが生まれてすぐにでもお母さんのおっぱいが飲めるように、乳首を捜すための原始反射であると言われています。

まれに、触れた方と反対の方に赤ちゃんの頭が向いてしまう場合があります。そのような場合、運動神経などの中枢神経または脳の機能に異常がある可能性があるため、注意が必要です。

口唇吸啜反射(出現:出生時 消失:4~6か月)

口唇吸啜反射とは、赤ちゃんの口の中に検査をする人の指を入れると、規則的に吸いつく原始反射をいいます。この吸啜反射があることで赤ちゃんはお母さんのおっぱいを吸うことができるので、とても大事な反射となっています。

基本的には赤ちゃんのお腹が空いている時にこの反射は強くなり、逆にお腹がいっぱいの時は反射が弱くなりますが、その様子を見て「もしかしておっぱいが足りていない?」と不安になるお母さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、お腹が空いていない時にも吸啜反射が強くみられる場合もあります。

おっぱいの量が不安な場合は、反射だけで判断せずに赤ちゃんの体重を測ったり、おしっこの回数や量などを見て判断するようにしましょう。

バビンスキー徴候(出現:出生時 消失:1~2歳)

バビンスキー徴候とは、足の裏の外側を踵から足のつま先にかけて刺激すると、親指が反り、他の足の指が扇状に開く現象が生じる原始反射をいいます。フランス人医師のジョゼフ・バビンスキーが発見した反射なので、日本ではバビンスキー徴候と呼ばれています。

バビンスキー反射に関しては、2歳以降も見られる場合は人が自分の意思で行う運動を司る神経の通り道(錐体路)が障害されることで生じる錐体路障害が疑われます。

これまでに挙げた一般的な原始反射が赤ちゃんの身を守るものであったり、生きていく上で必要なものであるのに対し、バビンスキー徴候にはそのような役割はありません。

赤ちゃんが小さいうちはこの反射が出ていてもあまり気にすることはありませんが、2歳を過ぎてもこの反射が出ている場合は早めに医師などに相談しましょう。

原始反射で何が分かる?

赤ちゃんが生まれると、定期的に乳幼児健診がありますが、そこで原始反射の発現と消失の時期が確認されます。原始反射は、赤ちゃんの中枢神経の発達をみるためにとても重要なもので、脳と脊髄がきちんと連携をとれているか確認することを目的としています。

とは言っても、原始反射だけでは赤ちゃんの発育を全て見ることはできません。そのため、身長や体重の変化や赤ちゃんの表情や動きなどと組み合わせてみることが重要です。赤ちゃんの原始反射は家でチェックすることが可能なものが多いため家で試してみることもできますが、その際は赤ちゃんの負担にならないように行うようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんが生まれつき持っている“原始反射”についてご説明しましたがいかがでしたでしょうか。本能としてこのような様々な反射を生まれつき持っているなんて、とても興味深いですよね。原始反射は赤ちゃんが成長につれ消えていくものですが、赤ちゃんの異常を早く捉えるためにも重要な役割を果たしています。

とはいえ、最初にもご説明した通り赤ちゃんの反射にはそれぞれ個人差があるので、あまり考えすぎずに発育の目安の1つとして知っておくことができたらいいですね。

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