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絵本のプロフェッショナル「絵本専門士」って?

絵本専門士
絵本作家とか絵本の挿絵など絵本に関わる仕事に携わりたい人は多いのではないでしょうか。今回は、その中の一つ、絵本専門士についてご紹介します。

子どもたちの心を健やかに育んでくれる絵本。

幼いうちから絵本を読み聞かせることで、言語能力やコミュニケーション能力、想像し創造する力など、さまざまな能力を伸ばしてくれると期待されています。
また、絵本は読み手にも癒しの効果があることが明らかになっており、心の癒しを求めて絵本を取る大人も増えています。
このように、世代を超えてひろくニーズが高まっている絵本。

そこで、絵本の魅力や可能性を世に広めるために誕生した資格が「絵本専門士」です。

子どもから大人まで楽しめる「絵本の効能」

子どもたちの感性に働きかけ、豊かな心を育んでくれる絵本。
絵本には、美しい絵があり、子どもたちの好奇心をくすぐる言葉があり、世界を広げてくれるストーリーがあります。
「絵本をたくさん読み聞かせた子は賢くなる」と考える人がいるように、絵本は子どもたちにたくさんのすばらしい影響をもたらしてくれるもの。
読み聞かせてもらった絵本を通じて、子どもたちの想像する力はみるみると伸び、絵本から言語や色彩を学び、いっそう知識欲を高めていくのです。

また、絵本は優れたコミュニケーションツールでもあり、「絵本を読み聞かせることで、子どもたちの心が穏やかになる」ことも、専門家の研究によって明らかになっています。
保育の現場では、読み聞かせの時間を通じて、座って話を聞く習慣をつけるなど、しつけの土台づくりにも一役かってくれていますね。
子どもたちに対して優れた影響力を持つ絵本ですが、大人の読む絵本にも注目が集まっています。

たとえば、「絵本セラピー(読書療法)」。
大人が絵本に触れ、読み聞かせを行うことによって、心を癒すというものです。
絵本は、心を穏やかにしてくれる作用を持つと考えられ、医療機関はもちろん、介護の現場にも取り入れられることがあるのです。
このように、絵本にはさまざまな効能があります。
絵本の持つ魅力を伝えるために、適切な絵本選びや読み聞かせの手法などをひろく伝えるのが絵本専門士の役割です。

では、絵本専門士とは具体的にどんな職業なのでしょうか。

 

絵本専門士って?

絵本専門士とは、絵本の魅力と可能性を伝えるスペシャリスト。

独立行政法人「国立青少年教育振興機構」によって開講されている講座を受講し、修了課題の提出を経て、絵本専門士委員会から認定を受けると絵本専門士として認定されます。

絵本専門士の仕事は、絵本にかんする理解を広め、読書活動の推進に努めること。
資格取得後は、図書館や保育園・幼稚園、小学校、セラピーの一環で読み聞かせを行う医療機関など、さまざまな場所で絵本の魅力を伝える活動を行います。

読み聞かせやおはなし会の実施はもちろん、絵本の魅力を広めるワークショップをひらいたり、教員を対象に絵本に関する知識の指導を行ったり……と、活動内容は多岐にわたります。
絵本専門士の資格取得者は機構のホームページに掲載されるので、機構を通じて仕事の依頼がくることもあるようです。

絵本専門士の資格を取得するには?

絵本専門士になるには、絵本専門士委員会が実施する絵本専門士養成講座を受講し、修了する必要があります。

受講には一定の応募資格があるため、すべての人に開かれている資格ではあります。
応募資格は次のとおりです。

【絵本専門士の受講資格】

次の1~4のいずれか、もしくは同等の資格・実務経験(勤務経験)を有するもの

  1. 子どもや絵本に関連のある資格を有するもの
  2. 絵本にかかわる実務について、原則として3年以上の経験を有するもの
  3. 絵本にかかわる活動に携わり、原則として3年以上の経験を有するもの
  4. 絵本学や児童文学、美術について研究実績を有するもの

 

大学などで児童文学や絵本について学んでいた人はもちろん、保育士資格を有していれば、1の条件を満たしていることになりますね。
ただし、応募条件に該当する人のすべて受講できるわけではなく、条件を満たした人のうち、エントリーシートによる選考を通過した人だけが受講することができます。
絵本専門士は、いま注目の集まる人気資格。
第二期生の募集では、実に定員の8倍以上の倍率になるなど、狭き門となっているのが現状です。

絵本専門士って何を学ぶの?

赤ずきんちゃん

 

絵本専門士養成講座では、絵本や子どもにかんする知識、読み聞かせ会や絵本にかんするワークショップを運営する技能を学んでいきます。
絵本にかんする基礎を学ぶ「知識を深める分野」と、絵本を紹介し、おはなし会を実施する手法を学ぶ「技能を高める分野」、絵本の持つ力から学ぶ「感性を磨く分野」の三本柱で構成され、それぞれ専門分野の講師が教壇に立ちます。

講座はおよそ半年間。
本にかんするあらゆる領域の専門家や実践家を講師として招き、50時間の講義が行われています。
応募者のなかから選ばれた人しか受講ができない少人数制ですので、きめ細やかな指導を受けられるのが魅力です。
修了課題はレポートなどを使い、絵本専門士として活躍できる資質や能力を確認。

授業の成績とあわせて、絵本専門士としてふさわしいと判断された場合、委員会から認定を受けることができます。

絵本専門士資格取得スケジュール

では、実際に絵本専門士の資格取得を目指そうとする場合、どのようなスケジュールをたどるのでしょうか。
絵本専門士の受講者募集がスタートするのは毎年2月~3月ごろ。5月の半ばごろに、エントリーした人のなかから受講者が決定します。
講座は6月から1月にかけて行われ、修了課題の提出と審査期間を経て認定されるため、応募から認定までおよそ1年の時間を要します。

講座は東京都渋谷区代々木にある、国立オリンピック記念青少年総合センターにて行われます。
原則として土日を利用してひらかれるので、勤めながら受講しやすいのも魅力ですね。

講座の受講料は5万円。授業の内容によって、実費が必要となる場合もあります。
次回の募集は2017年2月が予定されていますが、1月末ごろからホームページで情報が公開されますのでチェックしてみるといいですね。

絵本専門士はどのぐらいいる?

絵本専門士という名前を聞いても、ピンとこない人も多いかもしれません。
それもそのはず、絵本専門士養成制度は、平成26年にはじまったばかりの新しい取り組みです。
第一期生が誕生した平成27年春には、絵本専門士37名、翌年には60名の絵本専門士が誕生し、全国で活躍しています。
絵本専門士は、現在資格取得を目指して受講している人をのぞけば、まだ100人弱しか資格取得者がいない比較的新しい資格です。

絵本専門士を取得する人はどんな人?

小学校や中学校の教員や、図書館の職員、出版社の社員……と、絵本専門士の資格を取得する人の職業は実にさまざまです。

絵本専門士になるために学んだ経験を絵本づくりに生かしたり、学校教育に生かしたり、読み聞かせ会を主催したり……と、絵本のプロフェッショナルとして、あらゆる角度から絵本の魅力を伝えています。

資格取得者に通じているのは、いずれも絵本を通してなにかを伝えたいという強い意志を持つ人であるということ。
倍率が高いため、講座受講までのハードルが高い資格ではありますが、保育士や幼稚園教諭の資格を持ち、「絵本を通じて子どもたちの発達をサポートしたい」「読みきかせが得意で能力を伸ばしたい」と考える方であれば、とても向いている資格といえるでしょう。
今後ますます需要が高まっていきそうな絵本専門士資格、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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