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リトミックの源流「ダルクローズ・メソッド」とは

リトミックのダルクローズメソッド
幼児教育でも注目されているリトミック。リトミックはエミール・ジャック=ダルクローズが考案し、さまざまな効果があると注目されている音楽教育法です。今回は、ダルクローズ・メソッドについて、詳しくご紹介します。

音楽に合わせて歌ったり、音を鳴らすことで音楽や表現を楽しむことができるリトミック。

リトミックは、スイスの音楽教育家であるエミール・ジャック=ダルクローズに考案され、子どもの可能性を広げることができるものとして注目されています。エミール・ジャック=ダルクローズとはどのような人物なのか、そして、ダルクローズメソッドとはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

リトミックとは

『リトミック』というと、「聞いたことがある」「何となく知っている」という方も多いのではないでしょうか?

音楽のリズムに合わせて身体を動かしたり、楽器などで音を出して表現を楽しむリトミック。音楽を聞きながらママとのスキンシップを楽しむベビーリトミックなど、0歳の子どもを対象とする教室も多くあり、子どもの習い事の1つとして注目されています。

リトミックによる効果として、リズム感や音感、表現力などを育てることができるほか、集中力や協調性、想像力や思考力などを身に付けることができるともされています。

幼稚園や保育園でもリトミックを取り入れているところがたくさんありますが、音楽に合わせて身体を動かす“リズム運動”のみを取り入れているところが多くなっているともいわれています。

ダルクローズとは?

リトミックの創始者は、スイスの作曲家・音楽教育家として知られるエミール・ジャック=ダルクローズ。

1865年にオーストリアのウィーンで生まれました。

音楽に触れることが多かったダルクローズは、10代の頃から作曲や演技を行い、たくさんの作品を作っています。

劇場オーケストラの副指揮者として活躍中にアラビア音楽に出会い、その独創的なリズムや演奏スタイルに影響を受けたとされています。また、パリの音楽院でマティス・リュシーに師事したことよって、リズムによる音楽表現の研究を行い、音楽を動きによって表現・創造する音楽教育法である“リトミック”を考案しました。

ドイツのヘレラウ・リトミック学園やジュネーブのジャック=ダルクローズ・インスティテュートなどを開校したダルクローズ。

1925年にドイツの音楽学校でダルクローズ理論が取り入れられたのをきっかけに、リトミックが世界的に普及するようになったとされています。

児童教育だけでなく、舞踊や演劇にも大きな影響を与えたリトミックは、大正時代に日本に伝えられました。

ダルクローズのリトミックの特徴は?

リトミックのダルクローズ

音楽に合わせて身体を動かすというイメージを持つ方も多いリトミック。

ダルクローズの考案したリトミックは、

  1. ソルフェージュ
  2. リズム運動
  3. 即興

の3つの科目から構成されていて、これら3つの科目の組み合わせが大切であるとされています。

ソルフェージュ

ダルクローズの求めたソルフェージュ能力は、『音の高さの段階と相互関係(調性)の感覚とそれぞれの音色を識別する能力』とされています。

ソルフェージュでは、音階や旋法・音程・旋律・転調・和音などを、歌いながら即興で行っていきます。

音の高低や音程の響きを聴いたり、音階・メロディーをすべての調で歌うことによって、音楽の要素や各調固有の感覚を養っていくことができるとされています。

また、音階を2音列や3音列など、いくつかのグループに分けて聴いたり歌ったりすることによって、音がどのように組み合わされているのかを理解することも可能となります。

歌いながら、そして、動きながら音楽の理論や和音などの音楽の要素を学ぶことができるとするソルフェージュ。

実際には、

  • ハ長調の音階を歌いながら、身体の低い位置から高い位置に向けて、または、高い位置から低い位置へ、それぞれタップしていきます。
  • 簡単な曲を歌いながら、音と一致させた身体の位置をタップします。
  • 指定された音だけ反応しないというルールの下、②を行います。

という流れで行われたりしているようです。

指定された音だけ反応しないことによって、集中力を養ったり、実際に音に出さない音を心や頭で感じることもできるとされています。

リズム運動

リズム運動は、音楽に合わせて動いたり、表現するという方法のこと。

ダルクローズによると、『身体的なリズム感覚は、筋肉組織と中枢神経の特訓により、リズミカルな動きの分析に際しての集中力や、それを実演する際の自発性を発達させる。』とされています。

音楽のリズムやテンポの変化、音の高さやメロディの変化など、音楽の要素を聴きとり、即興的な動きによって身体で表現していく中で、感覚を磨いたり音楽を深めることができるとされています。

音の早さによって身体を動かす速さを変えたり、風や海・動物の動きなどをイメージしながら表現することが多く、子どもにも取り組みやすいため、乳幼児を対象としたレッスンでよく行われています。

即興

即興は、リトミックやソルフェージュを元に、音楽を作ること。

ダルクローズによると、即興は『リトミックとソルフェージュの概念をその音楽的表出という観点で結び付け、メロディー、ハーモニー、リズムを備えた音楽的思考を表現すること』とされています。

即興演奏では、打楽器やピアノなどの楽器をはじめ、声や動きなどを使ってみたものや聴いたものを即興的に演奏していきます。オノマトペやボディパーカッションなども即興演奏に含まれ、自分の音楽を作っていきます。

即興演奏では、予測しなかったことを取り込むことで、計画を柔軟に変更する能力が養われていくとされています。

音楽様式の勉強をしていくことによって、作曲や編曲が可能となります。

幼児教育に取り入れることでメリットがたくさん

主体的な遊びや生活の中でさまざまなことを学ぶとされる幼児教育。

ダルクローズ・メソッドは音楽の知識や技術を教え込むというものではなく、音楽に合わせて身体を動かしたり、感覚的に感じた音楽を表現するというもののため、子どもも主体的に楽しむことができるものとなっています。

リトミック教育の目的は『自分を表現したいという欲求を自分の内に生み出すようにすること』であり、『感覚や感性、そして、さまざまな能力を開発して生きる力の基礎をつくること』。

保育の現場でも多く取り入れられていますが、音楽に合わせて、ただ手遊びをしたり身体を動かすものとして行うのではなく、全身的に、また感覚的に音楽を感じて表現することが大切となっています。

一定の時間に一つのことに集中して取り組むことで集中力を身に付けたり、その過程の中でさまざまなことを感じたり学ぶリトミック。達成感を感じるために、それぞれの年齢に応じた内容で行うことも求められているので、リトミックの指導をする際には、ダルクローズ・メソッドを自身で経験することも必要です。

手段や方法に一定の基準が設けられているものの、臨機応変に対応していくことが求められるリトミック。音楽に興味を持ち、感じるままに表現するなど、自発的な活動を大切にすることによって、感性だけでなく運動神経やコミュニケーション能力を身につけて行くことが可能となります。

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