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子どもたちの健やかな心を育てる。今、知っておきたい「情操教育」のこと

保育 情操教育
子供の情操教育の重要性はご存知ですよね。では、それは一体どのようにして行えばいいのでしょうか。

豊かな心を育む教育法として、教育に力を入れているママから注目が集まっている「情操教育」。幼児教育に関心がある人であれば、なんとなく耳にしたことがある言葉かもしれません。ですが「情操教育ってどんなもの?」と聞かれると、言葉に詰まってしまう…そんな人も多いのではないでしょうか。情操教育とは、いったいどんな教育法を指す言葉なのか、学んでいきましょう。

情操教育ってどんなもの?

情操教育の定義はさまざまですが、一般的には、動物や植物、文化、芸術、宗教などと触れ合い、たくさんの経験をすることで、心を豊かに育てていく教育法を指します。

情操は大きく分けて4種類

情操とは、美しいものや素敵なものに接することで感動したり、豊かな気持ちになったりする感情を指す言葉です。具体的には、次の4つに分類されます。

1.論理的情操(科学的情操)

物事を観察し、考え、なぜそうなるのかを追求しようとする感情を指す情操です。幼いころ、「ピアノはどうして音が鳴るんだろう」「空はなぜ青いのだろう」といった小さな疑問から、「なぜ」「どうして」を自分の力で考え、答えを導きだそうとした経験はありませんか。経験をし、好奇心を抱き、自分の力で考え、答えを導きだそうとする。これも大切な情操のひとつです。

2.倫理的情操(道徳的情操)

「泣いている人をなぐさめたい」「困っている人に手を差し伸べたい」など、善意の気持ちを追求しようという心を指す情操です。

3.美的情操

芸術品や素敵な景色を見たり、美しい音楽を聴いたりして、「きれいだな」と感じる心を指す情操です。

4.宗教的情操

神様や仏様などの考え方に学び、命の大切さを考える心を指す情操です。特定の信仰を持たない人が多い日本では、あまりぴんと来ない人も多いかもしれませんね。

情操教育に期待できること

上記のような「情操を伸ばす教育」を行うのが情操教育です。つまり情操教育とは、自らの力で感じ取り、考え、表現する力を身につけることといえるのではないでしょうか。心がすさみ、他人のことを思いやる心の余裕が奪われてしまいがちな現代社会。そんな時代だからこそ、他人を思いやる心を持ち、物事を慎重に考え、深く探求できる力は財産になります。自分の力で考える力を伸ばす情操教育を受けることで、責任感を持ち、他人に思いやりをもって接することができる人間に育つと考えられています。

情操教育って何をすればいいの?

情操教育

 

では、情操教育とは具体的にどんなことをすればいいのでしょうか。乳児期~幼児期に家庭で取り組める情操教育にはいったいどんなものがあるのでしょうか。いくつか例を紹介します。

絵本を読み聞かせよう

登場人物の気持ちを考えたり、ストーリーの続きを想像したり…と、幼い子どもへの情操教育に絵本はぴったりの教材です。子どもたちは絵本に描かれたイラストからさまざまなことを想像し、独自の世界をつくっていきます。絵本を読み聞かせるときのポイントは、演劇のように抑揚をつけて読まないこと。抑揚をつけてしまうと、読み手の感情や考え方が声を通して伝わり、子どもたちの想像の妨げになってしまうからです。また、絵本を読み聞かせた直後に「どうだった?」と感想を聞くのも避けたいところ。じっくりと絵本の世界にひたり、想像をめぐらせてもらうことが、情操を伸ばすことにつながります。

積極的に外へ出て、自然に触れよう

「公園の砂場は衛生的じゃないから…」と、理由をつけて外遊びを避けてしまってはいませんか。屋内での遊びももちろん重要ですが、自然には子どもたちの好奇心を刺激してくれる「なぜ」がたくさん広がっています。幼い子どもがいる家庭は、ぜひ自然に触れる体験を。季節の植物やたくさんの生き物、風景に触れることは、子どもたちにとってとても大切な体験になります。

生き物を飼ってみよう

教育熱心な保護者のなかには、情操教育のためにペットを飼うことを検討する人がいるほど、動物を飼うことは子どもの心の成長につながると考えられています。ペットを飼育することで責任感と愛情を持ち、命の尊さを学ぶというのは、子どもたちにとって貴重な経験になるのです。動物アレルギーや住まいの関係でペットが飼えない…という家庭は、花や野菜といった植物を育てるのもおすすめですよ。

絵を描く習慣をつけてみよう

絵を描いたり、粘土や紙などをつかって自由に工作をしたりするのも情操教育にはとても大切です。かならずしも、テーマのある作品でなくて構いません。何を描くか、作るかを決めて取り組ませるのではなく、あくまで子どもの主体性にゆだね、自由に作らせることで、子どもたちの「想像し、創造する力」を伸ばしましょう。

音楽を聴き、音楽に触れよう

美術と同様に感性を豊かにしてくれる音楽も、情操教育のために積極的にとりいれたい学びのひとつです。最近では、赤ちゃんでも入場できるコンサートなども行われていますから、ぜひ足を運び、幼いうちから生の演奏に触れる機会をつくってあげるといいですね。また、幼児期には楽器にチャレンジしてみるのもおすすめです。うまい、へたは関係なく、楽器に取り組み、音楽を通じて表現することを楽しんだ経験が、子どもたちの情緒を伸ばしてくれることでしょう。

宗教行事を体験させよう

特別に信仰がないという人でも、先祖の墓参りにいったり、お盆に帰省をしたり…ということをしている人は多いもの。身近なところではお墓参りに行くのも宗教行事です。なぜお墓参りをするのか、どんな意味があるのかを伝え、一緒に参加することで、命について考える機会になるかもしれません。

そのほか、創作ダンスのように体を動かしてリズムをとったり、スポーツをしたり…といったことも情操教育に含まれます。

情操教育の主役は「子ども」

情操教育の主役は子ども自身です。たくさんの経験を得ることが重要…といわれると、つい、あれもこれもやらせたくなってしまうのが親心かもしれません。ですが、保護者の「させたい」気持ちばかりが先走って、子どもの意思が置いてけぼりになってしまうようでは逆効果。子どもたちの好奇心に寄り添い、理解する。叱ったり、否定的な言葉で接したりしてしまうと、子どもたちの考える力を奪ってしまうことになりかねません。情操教育における保護者の役割は、学ぶ機会を与え、学びを見守ることなのかもしれません。子どもの意思を尊重することが大切です。

情操教育の学びは日常に落ちている

他者への思いやりの気持ちや、美しいものに感動する気持ちを育てる情操教育。絵本を読み聞かせたり、外を散歩して四季に触れたり…と身近なところにも情操を豊かにしてくれる学びがたくさんあります。家族で海や山に出かけ、自然にふれあったり、動物を飼って愛情をかけて育てることを学んだり…といった日常の行動のひとつひとつが、情操を伸ばす教育につながります。特別なことをたくさんする必要はありません。子どもが自分の力で感じ、学んでいくということを理解し、子どもたちの好奇心にできるだけこたえてあげられるよう、意識して日常を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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