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子どもの自我意識の芽生えのとき、大人はどう接したらいいのか

保育 自我
子供といえども自己の判断があります。保育者としてしっかりとした対応をとることで子どもたちは自分自身を肯定されたという気持ちが芽生え、それが成長につながります。

赤ちゃんから子どもへ、「自分」に気付くとき

自我の芽生え

 

子どもは乳児期から幼児期のはじめにかけては、保護者や保育者といったまわりの人達に「お世話」をされ、依存して生活します。受け身で暮らしている、ともいえます。だから、その頃には「自分」とそれ以外の「他人」がいるということには気付いていないのです。自分というものが存在することを知らない状態です。

1歳前後からは歩くようになり、世界が広がっていきます。家族やまわりの人とかかわるようになっていき、自分に気付きます。これまでは受け身でしたが「自分でやりたい」と何ごとも主体的に、能動的にやりたいという気持ちが出てきます。これが子どもの「自我意識の芽生え」です。発達、成長には個人差がある中、多くは1歳から2歳にかけて自我を意識し、周囲の影響を受けながら自我を確立させ、やがて「自立」へとつながる成長を遂げていきます。自我意識が芽生え、育っていく時期は反抗期や「イヤイヤ期」などとも呼ばれるときとも重なり、多くの保護者や保育者は手を焼いてしまいます。どのように接していくのがよいのでしょうか。

自己主張が強くなる子どもに、大人はたいへんな思い

1歳から2歳くらいにかけ、子どもは歩いたり言葉を話したりという、生きていく基本の部分を整えます。その後、家庭での生活や保育園などの施設での生活において、まわりの大人やほかの子どもと「自分と他者」の関係を作っていきますので、自我意識が芽生え「自分で」体験し、考え、行動する欲求を持ちます。その子の人格を形成し、人として社会とかかわって生きていくためにとても大事な成長ですが、大人はたいへんな思いをさせられる時期でもあります。

2歳くらいの時期がこのときにあたり、自己主張が強くなり、好き嫌いや、やりたいこととやりたくないことなどがはっきりしてきます。そして、大人に指示されることや自分の思い通りにならないことに「イヤ」といって泣き叫んだり暴れたり。そういったことが延々と続くなどして、保護者は「育児の壁にぶつかった」気持ちになる人も多いですし、保育者にとっても対応に気を付けなければ、と思わされるときです。

「魔の2歳児」「イヤイヤ期」への対応

激しい自己主張と反抗が特徴のこの時期は、人の心の成長に非常に重要な「第一反抗期(第一次反抗期とも)」です。多くの子どもにとって2歳頃なので「魔の2歳児」といういいかたも有名ですね。また「イヤイヤ期」というのも同じです。大人の苦心が呼び名にも表れていますね。なぜ、なんでも「イヤ」というのか。

なぜ、できないことも「自分でやる」というのか。やらなくていい、むしろやってほしくないことを「やる」というのか……。癇癪の起こし方もものすごくて、大人から見たら理不尽です。疲れ果ててしまう保護者の方もいます。でも、この反抗はなくてはならない成長で、わがままや悪意ではないのです。

子どもが悪いのではなく、子ども自身も「やりたいのにできない」「うまくいかない」という思いを抱えて困惑しています。子どもにとっては経験がないことだから、なぜできないのか、できなかったらそうしたらいいのか、対応を知りません。ただ、わきあがる自立心やものごとへの好奇心を止められなくて、自分をコントロールできないのです。大人も振り回されて嫌になるかもしれませんが、子どもの欲求を押さえ込んでしまわずに付き合ってあげるのが、成長のために必要な対応です。

反抗する子どもに対し、大人が感情的にならないこと

保育士 幼児

 

イヤイヤといって泣き叫んだり、食事のときに食べ物を投げつけたり、公共の場所で床に寝転んで暴れたり……。保護者の悩みの種になったり、保育者も頭を抱えてしまったりする反抗や自己主張ですが、必要なこととして認めてあげなくてはなりません。具体的にはどうしたらいいでしょうか。

まずは、振り回されて子どもと同じように感情的になってしまわない心構えが必要です。確かに、子どもの反抗は、いってしまえば「しつこい」ですし、理不尽ですし、イライラさせられます。でも、子どもは経験不足からどうしていいかわからず、感情が不安定になってしまっているのです。

今、子どもは何が「イヤ」なのか、経験をもとに考えてあげられるのが大人です。欲求は何なのか、それが現状、どうなっているから「イヤ」なのかを考えて「こうなんだね」と共感してあげると、子どもも落ち着きます。言葉や表現が少ない子どもは暴れることや「イヤ」ということでしか伝えることができません。保護者や保育者は、その気持ちを紐解いてあげよう、と思って接するといいでしょう。大人が冷静に受け入れてあげれば、子どもも対応を学び「次からはこうすればいいのか」という方向に成長します。

 「認めてあげる」そして「満足させてあげる」

自我意識の芽生え、そして確立という大事な成長の過程を過ごす子どもは、自分のやりたいことを通そうとします。「自分でやりたい」そして「やりなさいといわれたくない」という欲求が強くあります。自分でやりたい、ということに関しては、できる限りのことはやらせてあげる方向で見守りたいですね。

やりたい気持ちを認めてあげることです。また、やらなければいけないことややってほしいことを「やりたくない」というときもあります。これは、なぜやりたくないのか分析してあげると、多くの場合「自分の気持ちと合わない」と子どもが感じています。その「自分の気持ち」を認めてあげるために、例えば「ご飯を食べなさい」ではなく「(今、食べたくないのかな、じゃあ)食べたくなったらいってね」と、少し待ってあげるとか。「しなさい」ではなく「こうだからこうしてみようよ」と理由を説明するとか。「これとこれとこれ、どれをやりたい?」と選ばせるとか。子どもは大人に受け入れてもらえると欲求に対して満足感を得ます。認める、満足させるということによって、子どもの「やりたい」「できない」「うまくいかない」という感情が、大人への信頼や自分自身の経験につながっていきます。

保護者も保育者も気持ちに余裕を持つために

自我意識が芽生え、それが自分の気持ちを「自分でやりたい」と伝える表現となり、成長して他の人とのコミュニケーションとなっていきます。それが社会の中で生活する基礎になります。やがて、自分の主張だけをすることを「よくないのかも」と学ぶときが来ますし、話し合いをして解決したり、自分がやりたくてもできない、仕方ないこともあると納得したりもできるようになります。そういう意味で、反抗することは成長の根本にあり、子どもにとって欠かせません。大人としても受け入れる気持ちが大事ですが、忙しい中で子どもの自己主張に合わせて動くのはたいへんです。

感情的にならないように、といっても、ついカッとなることは、誰にでもあります。親も、家族や親族も、保育士も、保育に関わるさまざまなスタッフも、みんな。誰でも「大人だから冷静に」なれるときばかりではありません。子どもに対してイライラしてしまっても、それはそれで当たり前の感情です。休む時間や手段を使う、仕事の都合をつけるなどして、子どもと「あえて向き合わない」タイミングを作ることも有効かもしれません。子どもは子どもで、一生懸命に成長しています。大人も思いつめることなく、一生懸命に見守りましょう。

 

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