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母乳が出ない、母乳はいつまで? 悩みや不安へのアドバイス

保育 母乳
初めての保育での不安や疑問で母乳をあげる人は多いのではないでしょうか。今回は、そんな問題を取り上げてみました。

■母乳育児が推奨されている現在

現在、世界的にも日本国内でも「母乳育児」が推奨され、赤ちゃんは母乳で育てる、というのが一般的とされています。その背景には、WHO(世界保健機構=全ての人の健康の達成を目的とする国際連合機関)とユニセフ(国際連合児童基金=国際的に子どもの支援を行う機関)が共同声明として母乳育児を進める指針を発表したことがあります。

日本でも、このWHO/ユニセフの「母乳育児成功のための10か条(1989年)」を厚生労働省が取り入れ「授乳・離乳の支援ガイド」を策定(2007年)するなど、母乳育児を推進しています。産院をはじめとした医療機関でも母乳育児を推奨、妊産婦に対し母乳育児のための指導なども行われます。

母乳育児のメリットは数多く、多くの妊婦や母親が「母乳育児をしたい」と希望しています。が!! それが「母乳神話」になっているのではないか、そして「母乳育児は絶対」のような考えがあり、母乳が出ない、などの事情で悩んでいる人を苦しめているのではないか、という現状もあると思います。そんな「母乳」に関して解説していきましょう。

■母乳がインターネット販売される時代

2015年7月、厚生労働省は「インターネット等で販売される母乳に関する注意喚起」を地方公共団体や関係団体に依頼しました。インターネットで偽物の母乳や細菌量の多い母乳が販売され問題となっていた中の対策です。「衛生管理の状況が不明な第三者の母乳」の摂取にはリスクがあり、妊産婦や乳幼児の養育者に対して、このようなリスクを注意喚起してほしい、という内容です。

このように安全性を確認することが容易ではない「母乳」の販売にニーズがあるということ自体が「母乳が絶対に必要である」という極端な考え方の広まりのように感じた出来事です。

確かに母乳育児は乳幼児にとって、現在「最適」とされる方法です。乳児に必要な栄養素を備えた「完全食品」などという呼び方もあります。感染症等から乳児を守り、母体の回復にも役立ちます。そして、母子のふれあいによって良好な関係を築く、つまり親子の「絆」のために大切、ともいわれます。このように「母乳育児はこんなに素晴らしい」ということが伝わることによって「母乳以外はダメ」という「母乳神話」「母乳信仰」が出てきている、というのが現状かもしれません。

■母乳が出ないと「負い目」を感じる

乳児期に母乳のみで赤ちゃんを育てるのが「完全母乳育児(完母)」です。母乳が出ないなど、母乳のみで育てることができない場合にはミルクで代用します。ミルクで育てるのは「人工栄養育児」といわれます。そして、母乳とミルクを両方、与える育児が「混合栄養育児」です。母乳で育てる、とひとことでいっても、母乳が出るのは、赤ちゃんを産んだお母さんの体からです。体のことなのですから、自分ではどうにもならないこともたくさんあります。体質だとか、体調だとか。もちろん「母乳が出ない」体質や状況のお母さんもいます。

それが……。「母乳が出ないから母親としてダメ」「完母じゃないから子どもがちゃんと育たない」など、負い目を持ったり自分を追いつめてしまったりするお母さんもいます。「母乳の良さ」が「完母ではないことが良くないという誤った認識」につながっているのが問題です。ミルクだけで、とか、母乳にミルクも加えて、というだけで何が悪いというのでしょうか。母乳の代わりになるものがあって、それを使う事情があることに、何の負い目が必要でしょうか。

お母さん、自信を持ちましょう。「母乳神話」「母乳信仰」の人が何をいってきても気にしない! 強い気持ちを持ってください。完母でないからといって病気になったとか、親子の絆が薄れたとか、そんなバカなことはありません。しっかりと愛情を持って、お母さんやお父さん、そのほかの家族や養育者が赤ちゃんを守ればいいのです。

■母乳が出る、とされるさまざまな方法

保育士 母乳

 

そうはいっても、母乳が出ない悩みを解消して「母乳育児へ移行」したい、という人もたくさんいます。参考までに「必ず効果がある」というわけではありませんが、母乳の出をよくする、とされる方法などをご紹介します。これらの方法で「私は出るようになったよ」という人もいますが、そこも、人それぞれ。合うかもしれないし、合わないかもしれない。育児も、いろいろな対策も、自分なりにやっていきましょう。「母乳が出やすくなる飲み物」を飲み、効果があった人がいます。たんぽぽ茶がいいとか、お味噌汁がいいとかいう話を聞きます。母乳のもとは体の水分ですから、水分をよくとるのがいい、ということかもしれません。また食事もバランスよくとり、適度な運動、睡眠を十分にとること、などもよく挙げられます。こういう対策をみると、なんだ、普通に「健康に過ごす」ことじゃないか、と思いませんか。そしてストレスも禁物だとか……。

だから、こういった対策はとっていても「出ない」場合もあるわけです。気にしないようにしましょうね。そして「マッサージ」することや、赤ちゃんに「吸わせる」ことによって乳汁分泌を促すという対策も、もちろんあります。これらは医療機関などで指導もあります。それで効果があれば「よかったよかった」であり、出なかったとしても、それはそれで大丈夫。そう思っていればいいのです。

■母乳はいつまで? という疑問

母乳が出ない、という悩みのほかに、よく聞くのが、子どもに母乳をいつまであげたらいいのかわからない、迷う、といった内容です。母乳やミルクから離乳食に、そして幼児食に、と段階的に子どもの食事を大人が食べるようなものに近づけていくのですが、よくいわれるのは、離乳食から幼児食に移行する時期が「卒乳」のめやす、ということです。離乳は生後5か月前後から1歳半くらいまでがめやす、ということが多いので、一般的とされている卒乳も1歳半くらいでしょうか。母乳が出るから、まだあげていてもいいかなと思ったらそれでいいのですし、子どもが飲みたがるのなら無理にやめる必要もないでしょう。

ここでもいいたいのは「人それぞれ」だということです。1歳半くらいで飲まなくなるのがめやすだからといって、それ以降も続けていると「まだあげているの?」などと余計なことをいってくる人もいるものです。最初にお伝えしたWHO/ユニセフでは母乳育児を「2歳児まで」と述べているなど、見解はさまざまです。厚生労働省も「いつまで」時期を定めるのではなく、子どもに合わせるように、としています。こういった見解も、時代によって変化があります。これまで述べてきた「母乳神話」よりもミルクが支持されていた時代もあります。生後1年くらいまでには「断乳(自然に飲まなくなる卒乳ではなく、授乳を中止すること)」と医療機関などで指導されていた世代の人もいます。子育てをする人は「今」「自分は」どうなのか、ということをしっかりと考えましょう。

■「白湯神話」? と母乳

母乳に関連するお話で、近年、増えた「保護者の困惑」があります。それは、祖父母世代の人達(母乳をあげるお母さんの親世代ですね)が、やたらと乳児に「白湯をあげないといけない」といってくる、というものです。白湯とは湯冷ましです。この「白湯神話」は「(薄めた)果汁をあげないと」という「果汁神話」とセットになっていることも多くあります。これは前述の厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」において離乳食前の乳児には母乳やミルクだけで水分・栄養分は十分に摂れる、とされる前の、いわゆる「古い育児法」です。

以前は白湯や果汁を与えるように指導されていたんですね。その自分たち世代の経験を、今、かたくなに押し付けてしまうお姑さんやお母さん、場合によってはお舅さん、お父さん、そしてその他、親類や近所の人や、もういろいろな人……。今、きちんと「必要ない」と医療機関などでも指導されますので、そういう「押し付け」には惑わされないようにしましょう。母乳については、とくに表れやすいのですが、育児に関するあらゆること、そして、その他のことも、押し付けや決め付けに惑わされて、いいことなどありません。子どもを育てるなら、自分をしっかり持つ覚悟も必要なんですね。がんばりましょう。

 

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