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日本の未来を変える!?フランスで生まれた自主性を磨く「フレネ教育」とは?

フレネ教育
子供の自由を焦点において見た時に、以前はサドベリー教育をご紹介しましたがそれに合わせた同じやり方でも焦点を違えた保育方法があるんです。

フランスで始まり、今や世界約30か国で広く取り入れられている「フレネ教育」をご存知ですか?この教育法はその有効性が国際的にも認められています。「表現したいと思ったことを文章に書き、それを発表して意見交換する」という、新しいスタイルのフレネ教育は、日本の教育の未来を変えるともいわれています。近年、日本で取り入れる保育園が増加しているフレネ教育について、今回はその起源や特徴などをチェックしていきましょう!

やる気ゼロの子供たちが急に発言し始める!?フレネ教育はどのように生まれたのか?

フレネ教育の先駆者である、フランスの教育者セレスタン・フレネは、毎日、教科書と黒板を使った授業で子供たちが全く集中もしておらず、授業を楽しんでいない状況に疑問を抱いていました。ある日、普段全くやる気も見せない子供たちを散歩に連れていき散歩中に見た人々の様子や自然について子供たちに自由に表現させました。すると普段はやる気のかけらもない子供たちがたくさん発言をしたのです。子供たちは自分たちが興味のあることには熱意をもって活動するということを、フレネは身をもって感じたのです。

自由に表現させることで子供たちの積極性が格段にアップ!

その後、子供たちに自由に表現させる機会を増やすと、読み書きもできないと思っていた子供たちがすらすらと黒板の文字を読み、板書をするようになりました。ここからフレネは子供たちが日々感じていることや考えていることを作文にし、それを教科書がわりに使う教育を生み出したのです。作文という形で自由に考えを表現し、それを題材にすることで、子供たちは「認められた」という肯定感を感じながら自発的に学ぶようになったそうです。

フレネ教育の5つの特徴

フレネ教育には以下の5つの大きな特徴があります。

≪①異年齢の子供が一緒に学ぶ≫

フレネ教育を導入している学校では、異年齢の子供たちが一緒のクラスで学びます。これによって、年少の子は年長の子供の真似をするようになり、学習スピードが速まります。一方で年長の子どもは、年少の子供たちに気を配るようになるなど、互いに思いやる気持ちが自然と生まれます。

≪②3歳から文章で表現≫

フレネ教育では、3歳から子供に表現したいと思ったことを文章に書くようにさせます。「作文」を書き、それを「印刷」するのですが、これはフレネ教育の最も大きな特徴と言えるでしょう。自分の感じたことや学んだことを文章に表すことで、自分で書いたものが印刷され、他人に読まれる喜びが生まれます。その結果、自分の思いをきちんと表現しようという意欲を湧かせることができるのです。

≪③活動計画表にそって学習する≫

 

フレネ教育

 

フレネ教育において、他の教育法であまり見かけない珍しい特徴としては、この「活動計画に沿ってマイペースに学習する」という点でしょう。子供たちは、自由作文や詩の朗読、文法の説明のとき以外は、自分で決めた活動計画表にそって自分のペースで学習します。もしも勉強する中で理解が浅かったり、わからないことがあれば、個別で先生に質問してじっくり学びます。

毎日、学校での仕事が目標通りに進んだかどうか、計画表のマス目を進んだ分だけペンで塗りつぶしていくことによって自分の学習を管理します。決まった時間割に従って進む授業だと、子供によっては勉強についていけないことがありますが、フレネ教育ではこの心配がありません。子供たちが「自分がわかった」と感じるまでじっくりと学ぶことを重視しているのです。

≪④意見交換≫

フレネ教育を受けた子供たちは、対話の名人と呼ばれます。その理由は、「お互いの考えを話し合う」という習慣があるからです。フレネ教育では、日本の学校同様に、毎日の朝礼や終礼の会、親子の研究発表会、全校集会などがありますが、それらの会において、意見交換をすることが当たり前になっています。学校によっては、言いたいことを自由に書き込める壁新聞などがあり、そこでの「称賛する」「批判する」などの欄に書き込まれた内容が話し合いのテーマになります。これによって、お互いのよさを認め合う関係ができ、子供たちは自分の考えを素直に表現することができ、同時に相手の意見を受け入れることの大切さや、意見を受け入れられることの喜びを体感することができるのです。

≪⑤尊重しプライドを傷つけない≫

フレネ教育に携わる教師は、特に下記の3点を意識することが重要だと言われています。
・子供たち一人ひとりを尊重すること
・子供どもの情熱、子供の中にある欲求を最高の段階まで導くこと
・子供に失敗を恐れさせないこと

子供がみんなの前で作文を読むとき、その子は「自分が書いたもの、学んだこと、覚えたことをみんなが聞いてくれる」という誇らしい気持ちを持つようになります。そのため、教師は子供が肯定感を感じながら、気持ちよく発言ができるようなクラス作りを心がけるといいでしょう。大人数だと難しいためか、フレネ教育では比較的少人数のクラス構成が多くなっていることも特徴のひとつでしょう。

今後フレネ教育の影響を受けて日本は「ゆとり世代」➡「脱ゆとり世代」へ!

打たれ弱い、自主性がないと言われるゆとり世代ですが、この年代の人々が教育を受けた1990年代は、受験戦争、いじめ、不登校、引きこもり、さらに自殺など、子どもたちにまつわる社会現象が数々起こっていました。これらの原因が学力偏重型の詰め込み教育にあるのではないかと考えられていたのです。その結果、文科省は2008年度から「脱ゆとり」に舵をきり始め、学習指導要領を改正しました。
日本ではフレネ教育をはじめとする、海外の教育法を積極的に取り入れ、従来の詰込み型ではなく、自由な発想で自主性のある子供を育てる教育に力を入れる幼稚園やプライベートスクールなどが、急速に増えています。今後は学校の中で「フレネ教育コース」、「モンテッソーリ教育コース」など、選択肢が増えていくかもしれませんね!その結果、日本の子供達の想像力や積極性が磨かれ、世界で戦えるグローバル人材になっていく可能性も高まるでしょう。

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