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子どもの生きる力、上手に身に付させたい基本的生活習慣

基本的生活習慣 保育
子供が生活習慣を身に着けていくのも保育士としての立派な仕事です。今回は、その生活習慣をしっかり把握していきましょう。

子どもが人として生活し成長するための基本

人間の赤ちゃんは、まっさらな状態で生まれてきます。ほかの生き物では、生まれた直後から問題なく動きまわり、食べたり排泄したりという生命活動を単独で行うことができるものもいますが、人間が成長し、人生を歩んでいくためには、ほかの人間、多くの場合がその子の親など保護者の手助けが必要です。

健全に成長するために子どものうちに身に付けるのが「基本的生活習慣」です。身体的にも、精神的にもバランスよく生きていくためには、保護者をはじめ保育者など、周囲が子どもにしっかりと教え、支えて、習慣付けていく必要があります。

体と心を安定させ、人生を楽しむために

基本的生活習慣とは一般的に「食事」「睡眠」「排泄」「清潔」「衣服の着脱」を指します。生きていくために必要であり、また、社会の中で生活するために大事なこと。まさに生きる力です。また、これらにともなって、生きるために幼少期に上手に身に付けさせるものとして「挨拶をする」「約束を守る」「自分のことは自分でする」「人に迷惑をかけない」などのマナーや社会でのルールもあります。

身体の健康な成長と気持ちの良い生活に不可欠なこと、そして、心身が安定して、社会の中でほかの人とうまくやっていき、快適に楽しく生きられるようにということ。そんな願いを込めて、大人が身に付けさせるという意味も持つのが基本的生活習慣なのです。

健全で順調な生活に必要なこと

基本的生活習慣、という視点で子どもの成長、保育を考えたとき、必要なことは多岐にわたります。食事ひとつを例にとっても、人も生き物ですから食べなければ生きていけない。では、食べていればそれでいいのかといったらそうではありません。適量の食事をバランスよく、決まったサイクルで食べる習慣が身に付かないと、栄養面から身体面、そして精神面にも不安定な部分が出てきます。

小さい頃には母乳やミルク、そして離乳食、子どもにとって食べやすい食事から大人と同じような食事へと、食べるものも移り変わり、どうやって食べるのか、という点でも成長します。食べさせてもらう、手づかみ、スプーンやフォークから、正しい箸使いまで、大人が教えてサポートしていくことが子どもの成長を促し生きる力になります。そしてマナーを守り、好き嫌いなく食べたり、食事時には騒いだり動き回ったりせず「いただきます」「ごちそうさま」がいえる……、というところまで。これを何年にもわたって身に付けていくわけです。

規則正しいサイクルの生活ができない場合の影響

決まったサイクルで食事をし、十分に睡眠をとり、そのリズムに合う形で排泄がある。合わせて手洗いうがいや歯磨き、入浴などもしっかりと実施し、衣服を着替えて清潔に健康に過ごす。大人になったら、何も意識せずに行っていることですが、子どもにとっては、最初は「知らない」ことです。人生の基礎となる時期、心身が著しく成長する幼少期に習慣として体に、気持ちに、しっかりと沿う形にしておかなければ、と思いますよね。

そうはいっても、基本的生活習慣に「乱れ」が見られる子どももいます。夜更かしをしてしまい、睡眠不足になることによって昼間、元気がなく、保育園などでの活動に影響が出る、という子もいます。食べ物の好き嫌いが激しかったり食事をする時間がバラバラだったりして、体調を崩す子もいます。これは、家庭での基本的生活習慣が整っていない影響です。適切な時期に発達、成長に合わせて身に付けさせたいものです。

基本的生活習慣、いつまでに身に付けるのがいいの?

 

基本的生活習慣

 

基本的な生活習慣は、子どもが成長し社会で生きていくために身に付けるものですから、就学前には固めておきたいものです。あくまでも「めやす」で、個人差や状況の差があることをおことわりして時期についても解説します。食事なら、誕生から6か月くらいまでが母乳やミルクで育つ時期です。その後、離乳食を与えながらコップやスプーンを持たせるなどして食事の基本を「自分でさせる」こともしていきます。

離乳食から、いわゆる幼児食となり、手づかみで食べたりこぼしたりから、自分で食器の扱いが自然になるようにするまでが2~3歳前後です。3歳前後くらいで箸を使ったり食事の支度を「お手伝い」したり、食前食後の挨拶もできるようにしていきます。

睡眠や排泄のリズムを身に付けるめやす

睡眠の習慣付けのめやすはどうでしょうか。乳児期は、1日の多くを睡眠に費やしていますが、成長するにつれて「昼間は起きている」「夜は寝る」というスタイルにしていきます。1歳前後までは「お昼寝」で睡眠時間を補いながら、早寝早起き習慣にしていきます。2歳前後くらいまで「寝つきが悪い」「興奮して寝ない」といったことが多く起こることもありますが、昼間に十分に運動をしたり、効果的な「寝かしつけ」を模索したりして睡眠を確保します。成長のため、活動した疲労を回復させるためだけでなく、健全な睡眠の習慣付けが、集中力や学習能力にも影響してきます。

3~4歳ごろまでに寝る時間、起きる時間を一定に整えるとよいでしょう。排泄では「トイレトレーニング」のめやすというものがありますが、個人差があるので焦りは禁物です。乳児はおむつが濡れた、汚れた(排泄した)ことを泣いて知らせます。これを自立まで導きます。1~2歳前後で排泄を「知らせる」ことができるようにしていきます。「トイレに行きたい」といえる、トイレでの排泄が自分でできる、トイレットペーパーを使えるようになる、という流れを3~4歳までに作れるとよいのではないでしょうか。

清潔に毎日を過ごし自分の身の回りを整える時期のめやす

体を清潔に保つためには「清潔=きれいなこと」は快適で気持ちがいい、と子どもに覚えてもらうことが大事です。入浴や手洗いうがいで「きれいにする」こと、そして「きたない=体によくない」ことを避けることを自然にできるようにしていきます。1歳前後までは「やってもらう」にとどまっていても、そこからは手を洗う、汚れたり気になったりしたところをふき取る、などができればいいでしょう。

自分で歯磨きやうがい、入浴時に体を洗う、ふくといったことを段階的に行い、3歳前後までに、その習慣が当たり前になり、4~5歳で「1人でできる」状態に持っていきたいものです。洋服の着脱も1歳前後までは「やってもらい」、1~2歳では補助を受けながら「着脱しやすい衣類」のみを自分で扱うようにします。3~4歳でボタンを扱ったり前後や左右の間違いがなく着脱したりする練習をしていきます。就学前には自分の衣類をたたむなどして管理し、身だしなみや楽しみとして自覚できていれば理想的です。

子どもと学ぶ姿勢で大人がサポートする必要性

基本的生活習慣をしっかり身に付けるには、毎日コツコツと取り組むことが必要となります。何もしないで身に付くものではありません。知らないことを身に付けるわけですから、できないのは子どものせいではなく、大人の責任となります。保護者が、家族が、見本になって一緒に取り組む姿勢が重要です。保育園などでも保育者が心を配る部分ですが、やはり家庭での生活が大切です。保護者も子どもと一緒に自らも見直しともに成長するつもりで毎日、繰り返すことが大事です。「保育園や幼稚園でやるから」と任せきりになるような姿勢は、子どもに悪影響となります。

生きること、時間を過ごすことの全てが学びになり、習慣付になるのが子ども時代を生きること、といってもいいでしょう。好き嫌いをしないで食べる、とか、しっかり挨拶をする、といったことに、大人は見本になってあげているでしょうか。生きることが自然に学びになる子どもにとっては、保護者や保育者、まわりの大人はみんなが「先生」で「お手本」なのです。

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