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人間は幼児期から人類の一員!フレーベル教育はおもちゃを片付けない!

フレーベル教育
保育士試験でも高確率で問題にでるほど重要人物のフレーベル。「幼稚園」という言葉を開発した彼の保育の考えとはどのようなものでしょうか。

幼児教育の父、フレーベルが提唱した「フレーベル教育」がおもしろい!

「幼稚園」や「保育園」など、今や当たり前になっている言葉ですが、この「幼稚園」という言葉を作ったのは、ドイツの教育学者、フリードリヒ・フレーベルです。フレーベルは、幼稚園という言葉だけでなく、幼児教育の基礎となる思想や形を作り上げました。日本ではこのフレーベルの思想をもとにしているものが幼稚園が多いと言われています。

フレーベル教育では、人間は幼児期から人類の一員で、欲求や感情をありのままに表現することの大切さや、学校を園庭と考え、庭師が花の世話をするように教師は子供の成長をサポートする役と捉えます。今回はこの興味深い斬新な教育スタイル「フレーベル教育」をご紹介します!

■フレーベル教育の斬新、且つ的を得た考え方3点

≪「学校=園庭」教師は知識を教える立場ではなく子供の成長をサポートする庭師!≫

フレーベル教育では、「学校」は「園庭」と考えられています。学校の運営は、国家的な統制などではなく、園庭を管理するように行われるべきであり、教師は庭師が花の世話をするように子供の成長をサポートし、手助けする役割があります。教師の世話によって子供たちの個性が十分に発揮され、尊重され、伸ばされるべきなのです。

≪子供であっても社会の一員!社会適応能力も育む≫

フレーベル教育では、子供は単に個人としてばかりではなく集団の一員であるということも強く認識させることを重視しています。そして、子供を社会と切り離して成長させるのではなく、社会の一員として、子供が社会に適応できるように手助けすることも重要なことだと捉えます。

≪人格生成に大切なのは「個人的な体験」と「社会的な体験」≫

フレーベル教育では、教育における2つの目的は、「国家や社会のための教育」と「個人の発達と人格形成のための教育」です。つまり、子供の人格の成長にとって、個人的な体験と社会的な体験の両方が必要なのです。まず、個人の能力や人格的な発達をし、その後、その成長に対して評価が下されます。評価は社会(周囲の友達や大人)から与えられるものですので、社会を無視して子供の教育は語れないということですね。

■人間は幼児期から人類の一員!フレーベルの幼児教育の目的

フレーベル

フレーベル教育では、「人間は幼児期から人類の一員であると認識され、保育されるべきである」と考えられています。そのため、幼少期からの教育をとても重要視、下記の具体的な目標を掲げています。

≪自分の特性を表現する力を身に付け、成長させること≫

①欲求や感情をありのままに表現する

②親や教師は積極的に指導するのではなく、見守る、もしくは一緒に楽しむ

③自然の中でたくさん遊んで体を発達させる

フレーベル教育において、子供は生まれながら善の存在であり、純粋で素晴らしいものであると考えられています。だからこそ、その欲求や感情を素直に表現させるべきだということです。

≪自分が生きている世界を認識すること≫

子供が大人と関わったり、他の子供と遊んだりすることで、自分の生きている環境を理解することは非常に大切なことです。そのような外部との関わりを通じて、「自分は個であり、自分の生きている世界の一部である」と子供に認識させることをその教育の目的の一つに挙げています。

■植物&お歌&積み木!フレーベル教育のポイント3つ

ドイツのオーベル・バイスバッハには、フレーベルが作った最初の幼稚園が今も残っています。そこでは彼の教育理論に基づいた幼児教育が実践されています。その理論に基づいた教育法のポイントは大きく3つ挙げられます。

≪①自然の不思議を体感!庭で遊び、庭を育てる!≫

フレーベル教育が実施されている幼稚園の庭は緑にあふれていて、砂場や花壇などが充実しています。庭の中で自然に触れながら遊ぶ環境が整っています。たくさんの草花や土、虫に触れながら、かくれんぼや鬼ごっこを楽しむことで、観察力や知識を養います。

また、フレーベル教育では、子供たち自身が草花を育てます。幼稚園によっては、1人につき1つの花壇が与えられ、子供が自分で自然を慈しむことで、自然の不思議や、いのちとはどんなものなのかを学びます。好きな草花を好きなように配置するので、ここでも個性が発揮され感性が磨かれますね。

≪②感覚と感性を育てる歌遊び≫

フレーベル教育においての遊び歌は、子供は大人の真似をしながら体を動かして歌います。手や足を動かすことで、運動器官の発達を促し、子供の感性やリズム感を育てます。

また、歌詞を理解することも重要な作業の一つです。子供と一緒に歌詞には「楽しい」・「思いやり」・「嬉しい」といった、ポジティブな意味が含まれています。子供たちは自分が大切にされていること、愛されていることを知り、感謝の心も育みます。

≪③恩物(フレーベルの積み木)遊び≫

フレーベル教育では、「恩物(おんぶつ)」と呼ばれる積み木遊びを重視しています。円柱・立方体・三角柱・直方体の形をしており、その寸法も精密に計算されてつくられています。積み重ねたり、きれいに専用の箱に詰め込むことができるので、秩序や一体感を体験できます。カラフルなものや、糸の付いた球体、棒など、多種多様な形と大きさの積み木を使い、想像力と手先の器用さを高めます。

また、面白いことに、フレーベル教育では、遊んだあとの積み木は片付けません。片付けないことで、次の日も続きから作ることができ、継続して1つのものをつくることで、集中力が身に付くのです。

■まとめ

今回はフレーベル教育についてご紹介しましたが、いかがでしたか?考えてみれば、幼稚園には必ず庭園があって植物が植えられていますよね。積み木も必ずと言っていいほどどこの幼稚園にもあります。つまり、幼児教育の父と呼ばれるフレーベルの考えが、現在の幼稚園にもまだ根強く残っているのを感じられますよね。

子供に対しては、ついつい手取り足取り教えたくなってしまうものですが、何事も必要以上に手出しをせずに、庭師が草花を手入れするように、親や教師も愛情を持って子供たちを信じて、自分たちで様々なことを体験させてあげることが大切なのです。ご家庭や幼稚園、保育園で、もしフレーベル教育を取り入れたい場合は、まずは見守ること、おもちゃを片付けなくても怒らないで、翌日に続きから始めさせてみることなどからはじめてみるのがいいかもしれませんね!

【保育ぷらす+で過去に紹介した海外の教育法関連の記事(参照URL)】

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